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和瓦と洋瓦の違いとは?他の屋根材の種類や特徴も紹介

ご自宅の屋根材の種類についてしっかりとした知識はお持ちでしょうか?

新築住宅の屋根を計画する際やリフォーム工事のときに、初めて屋根材の種類がこんなにたくさんあるのかと気づく人も少なくありません。

そこで今回の記事では、富山の屋根工事で実績豊富な当店が、和瓦と洋瓦の違いを中心に他の屋根材の特徴についてもまとめて解説していきましょう。

和瓦と洋瓦の違いとは?

和瓦は、日本瓦やJ形瓦とも呼ばれます。古くから使用されている日本の気候風土に適した屋根材です。

一方、洋瓦とは、江戸時代末期にフランス人によって日本国内でも製造されるようになりました。

和瓦、洋瓦それぞれの特徴や種類について見ていきましょう。

和瓦の特徴

和瓦の材料は粘土です。大きく分けて、成型したあとにガラス質の釉薬(ゆうやく)をかけて焼き上げた瓦と、無釉薬の瓦の2種類があります。

日本で古くから作られていることからJapaneseのJにちなんで、J形瓦とも呼ばれています。

釉薬瓦はつややかで豊富なカラーバリエーションが特徴です。色褪せにも強く、メンテナンス頻度も少ないです。

無釉薬瓦は製法から「いぶし瓦」とも呼ばれており、渋い銀色が特徴です。京都や奈良の寺院建築にはいぶし瓦が多用されています。

 

和瓦の主な産地と種類

和瓦には主な産地が三カ所あります。日本三大瓦といわれているのが、「三州瓦」「石州瓦」「淡路瓦」です。三大瓦の産地や特徴について解説していきます。

■三州瓦

愛知県三河地方で多く生産されている三州瓦は、もっとも販売数が多い瓦です。

とくに西三河地方での生産が盛んで、矢作川下流の品質のよい粘土を原料としています。

三州瓦には3つの種類があり、それぞれ「いぶし瓦」「塩焼瓦」「陶器瓦」と呼ばれています。

原料はすべて同じ良質な粘土ですが、仕上げる工程に違いがあり、見た目も異なります。

先ほども少し触れた「いぶし瓦」は焼成したあとに瓦を燻化(くんか)する工程が加わります。

燻す(いぶす)ことによって炭素膜が表面にできて、独特の銀色に発色します。

「塩焼瓦」は焼成する工程で塩を加えるのが特徴です。化学反応によって赤褐色の瓦になり、この色が塩焼瓦の一番の特徴です。

「陶器瓦」とはいわゆる釉薬瓦のことです。成型後に釉薬を瓦の表面に塗布して焼き上げることで、つややかなガラス状のコーティングができます。

瓦の強度が高くなるとともに、色のバリエーションも広がります。

■石州瓦

石州瓦は、世界遺産に登録されている石見銀山付近の、島根県石見地方で生産される瓦です。

独特の赤褐色が特徴で、石見地方では赤茶色の町並みが広がっています。

日本三大瓦のなかでもっとも高い焼成温度(約1300度)で焼き上げられるため、あらゆる面で耐性が高く高品質な瓦と評価されています。

石州瓦の産地、石見地方は日本海に面していて冬は積雪が多いことで有名です。

そのため、「水を通さず凍らない」「塩害に強い」瓦が求められてきました。現在でも寒冷地や凍害・塩害のある地方では人気のある瓦です。

また、石州瓦の産地では和瓦だけではなく洋瓦の生産にも力を入れており、あとで紹介するF形やS形の洋瓦の製造も年々増えています。

■淡路瓦

淡路瓦はその名前のとおり、兵庫県淡路島のきめ細かく良質な粘土を原料とした瓦です。

淡路瓦の多くは、塗装をしない=釉薬を使っていない無釉薬瓦です。

燻化という焼成後に燻す工程を経て生産される淡路瓦は、無釉薬なので陶器瓦と比較すると通気や換気面に優れています。

また、淡路瓦の特徴である「いぶし銀」色は燻す工程でできる炭素皮膜です。原料の粘土のきめが細かく収縮しにくいことから、焼成温度が約1000度と低めでも強度の高い瓦に仕上がります。

京都や奈良の寺社仏閣の屋根瓦は、ほとんどが淡路瓦を使って葺かれています。

洋瓦の特徴

洋瓦は和瓦と同じ粘土瓦とセメントを原料としたセメント瓦があります。

江戸末期ごろにフランス人によって日本でも生産されるようになりました。

セメント瓦は、日本ではモニエル瓦と呼ばれる「乾式コンクリート瓦」が普及していました。

モニエル社が製造していたのですが、2010年に国内から撤退したため、新築住宅への新規の使用は難しいです。

また、セメント瓦はセメント自体には防水性がなく、約10年単位で塗り替えが必要です。地震に弱いこともあり、日本ではセメント瓦の使用が年々少なくなってきています。

粘土を原料とした洋瓦は、日本住宅の外観が洋風化していることもあって三大瓦生産地でも製造に力を入れています。

 

洋瓦の種類

洋瓦は形状によってF形瓦とS形瓦の2種類に分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

■F形瓦

F形瓦とは平板瓦とも呼ばれ、日本に最初に入ってきた洋瓦と考えられています。

形がFLAT(平ら)であることやFrance(フランス)由来であることから、F形呼ぶようになりました。

F形瓦の大きな特徴はその形状です。屋根の凹凸が少なくなり屋根全体の景観がすっきりみえるシンプルなデザインが好まれています。

最近では、太陽光発電パネルを設置しやすいことから、屋根材として選ばれることもあります。

F形瓦のデメリットとしてあげられるのが、屋根材と下地材の間に空気層が少ないことです。

そのため空気による断熱が十分ではなく、通気性も他の形状の瓦屋根と比較して劣ります。

■S形瓦

S形瓦の名前はSpanish(スペイン)に由来しています。瓦のなかで凹凸やカーブが大きく、高級感のある洋風な雰囲気を演出できる瓦です。

大正時代に西洋建築とともに伝えられたS形瓦は、日本で改良を重ねられてきました。

F形瓦と比較すると施工が難しく瓦も高価ですが、洋風建築をより魅力的に見せてくれる瓦といえるでしょう。

瓦以外の屋根材の種類とは?

和瓦と洋瓦について見てきましたが、他にはどのような屋根材があるのかご存じでしょうか。実際に検討するときには必ず比較しましょう。

瓦屋根

瓦屋根はやはり耐久性に優れている面が評価されます。下地材のメンテナンスは必要ですが、葺き直しながら使えば瓦自体の寿命は50年超ともいわれています。

一方、地震が多い日本では、瓦本体が重く住宅の重心が上がって耐震性が低下することが懸念されます。

スレート屋根

セメントを原料として塗料で防水性能を与えている屋根材です。

工場で大量生産が可能なこと、取り扱う屋根業者が多いことなどから、比較的安価な屋根材として多用されています。

しかし、スレート屋根自体には防水性能がないため、約10年ごとに塗装メンテナンスが必要です。

また、ひび割れや苔などが多く見られる傾向もあるため、点検が欠かせない屋根材といえるでしょう。

 

金属屋根

ガルバリウム鋼板屋根という名前はご存じの人も多いのではないでしょうか。

カルバリウム鋼板とは、鉄を基材として亜鉛とアルミのメッキ塗装を施した建材です。

他の屋根材と比較すると非常に軽量で、複雑な屋根の形状に合わせて加工しやすいことも特徴です。

亜鉛メッキだけのトタン屋根と比べると錆びにくくなっていますが、スレート屋根と同じく定期的な塗装メンテナンスが必要です。

また、錆びを放置することで、屋根全体の寿命が短くなるというデメリットもあります。

 

セメント瓦屋根

日本で採用されたセメント瓦は、ほとんどがモニエル瓦(乾式コンクリート瓦)でした。

しかし、2010年に生産を終了してからは新築で使われることはほとんどありません。

現存しているモニエル瓦についても、屋根の一部が破損した場合には在庫が残っていない、すべて葺き替えなければならないなどの可能性があります。

ご自宅がモニエル瓦の際には、早めの対策をおすすめします。

 

まとめ

歴史ある和瓦は、日本の町並みにしっくり馴染む屋根材です。しかし、住宅の外観の洋風化が進むにつれ、日本ならではの洋瓦も改良を重ねてきました。

住宅を新築する際には、どうしても間取りや住宅設備へ関心が向きがちとなり、大切な屋根材の検討が置き去りになることがあります。

住宅を紫外線や不安定な天候などから守ってくれる屋根。住宅全体の耐震性や外観デザインとのバランスを考えながら、最適な屋根材を選択しましょう。

また、屋根についてのご相談や点検のご依頼は、富山での実績豊富な当店の無料点検をぜひご利用ください。

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