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瓦屋根のメリット・デメリット|種類別にまとめて比較検討

瓦の屋根と聞くと日本の伝統的な瓦屋根を連想させますね。ですが瓦屋根はそのほかに種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

これから家を建てたいと検討中の方にとっては、瓦屋根の魅力だけでなく欠点となる要素を知るのは重要なことでしょう。

また瓦屋根に興味のある方にとっても有益な情報となるはずです。

この記事では瓦屋根の種類とメリット、また考えておかねばならないデメリットについて比較できるように書かれています。

どうぞ瓦屋根のことを詳しく知り比較検討し、役立てていただけけたらと願っております。

瓦屋根の種類

瓦屋根というと、日本家屋に使われる瓦を連想するのですが、実は瓦屋根には形がよく似ていて種類が異なる3種の瓦屋根があるのをご存じでしょうか?

3種の屋根瓦の一つ目は粘土瓦、セメントを主成分として使われるセメント瓦やコンクリート瓦、そして金属瓦が存在しています。

それぞれに特徴があり、メリット・デメリットも違ってきますので、それを分かりやすく、まとめて説明することにします。

種 類 耐用年数 1㎡当たりの価格 1㎡当たりの重さ
粘土瓦 50年以上 9,000〜12,000円 60kg
スレート瓦 20〜30年程度 4,500〜8,000円 20kg
モニエル瓦 30~50年程度 生産終了のため不明 43kg
金属系(ガリバリウム)瓦 30年程度 6,000〜9,000円 5kg

粘土瓦のメリット・デメリット

次に粘土瓦の特徴と6つのメリットと4つのデメリットを説明します。

粘土瓦の特徴

粘土瓦は高温で焼いて製造されますが、製造過程で釉薬瓦(陶器瓦)、いぶし瓦、素焼き瓦などに分類されています。
また瓦は和瓦と洋瓦にも分かれていますが、すべて粘土を原料にして作られています。
したがってメリットとデメリットについていえば、共通している所が多いため、ここでは分かりやすさも考慮して一緒に記述することにします。

粘土瓦のメリット

遮音性・断熱性が高く快適に過ごせる

瓦の素材である粘土は音を吸収するため遮音性に富み、雨音や騒音を遮る役割を果たします

また断熱性についていえば、粘土瓦はかつてエアコンのなかった時代を快適に乗り切る一助を果たしていました。
たとえば和瓦の波打ったようなカーブや、洋瓦のS形をした形状は、瓦と屋根下地の間に空気が入る隙間を作り、通気性を促す役目を果たします
つまり空気の層が、まるでペアガラスのような効果をもたらすため、外からの熱が伝わりにくく、湿気もこもらず冬の結露防止にもなるわけです。
ですから、夏は涼しく冬は暖かく快適に過ごせる工夫が凝らされた日本風土によく合う屋根材といっていいでしょう。

耐久性が高い

瓦は粘土を1100℃以上の高温で焼いたものですから耐久性に優れています。
耐久性の高さは、遺跡から出土する土器や陶磁器が、今なお現存している事実から十分理解できるでしょう。
そして瓦は塗装の必要もありませんから、色あせもなくメンテナンスは不要です。もちろん瓦以外の下地などには補修が必要ですが、瓦の頑丈さは家本体より長持ちする場合があるほどです。

なお、粘土瓦の寿命は、60年~100年持ちます。ただし、いぶし瓦は少し短く40年程度です。

防水性があり雨漏りしない

粘土瓦は屋根の傾斜角度が急で勾配がきつく取られています。
そのため、雨水が流れ落ちる速度があり、雨漏りの原因となる水がたまらないようにできています
また粘土瓦は陶器質でできており、ガラス質のコーティングのおかげで水を通しません。
したがって防水性にとみ、雨漏りを防ぐ屋根材といえるでしょう。

耐火性能が強い

高温でじっくり焼き製造される瓦は、建築基準法で指定された安全な不燃材として認定されています
※建築基準法(平成16年9月29 日国土交通省告示第1178号)

またたとえ火災の際にも、ひび割れや変形したり、有毒ガスを発生しないだけでなく類焼も防ぎます。
それらの点から瓦は耐火性能に非常に優れているといえるでしょう。

色も多くデザイン性が豊か

粘土瓦の中でも釉薬瓦は、色に富んだ釉薬を使用することで、色にバリエーションのある瓦といえます
黒やグレーといった印象の強い日本瓦にも色に変化をつけられのです。
また洋瓦は特に色とりどりで個性あふれる色彩感覚をだせますし、デザインも近代的なものから古風なものまで、バラエティーに富んだ洗練された風情を出せる瓦といえます。
一口に瓦といっても幅が広く、色が少ない印象しかなかった固定観念を外してくれますね。

部分的な葺き替えができる

粘土瓦は台風などの強風による飛来物で割れることがあります。
しかしたとえ数枚われたとしても、その部分だけ瓦を取り換えればいいので、手間もコストも低く抑えられる便利な屋根材です。

粘土瓦のデメリット

価格が高い

初期費用は他の屋根材と比べると2倍近く高くなります。
また施工に技術が必要で、手間がかかることも一因しています。
ですが、最初の設置時だけは高いですが、メンテナンス不要で塗装工事の必要もないことから、トータルして長期の目線で考えると安くなる場合もあります

地震や強風で瓦が落ちる


実は昔の瓦建築は、地震での揺れによる建物の負担を軽くするため、あえて瓦は落ちやすくなっていたのです。
ですが20年以上の昔の話で、瓦が負担にならないよう建物の造りも頑丈になっていますし、また現在では全日本瓦工事業連盟が定めたガイドラインで瓦は固定されるようになりました。
ですから、地震や台風の時でも瓦が落ちたり飛散したりしにくくなっています。

リフォーム(カバー工法)には不向き

カバー工法とは、古くなった屋根の上に新しい屋根をかぶせるリフォーム方法で、古い屋根材をはがす手間や処分代がかからないメリットがあります。
しかし立体感のある瓦の上から新しい屋根材をかぶせるのは難しいため、この工法は向いていません
ですから瓦屋根から他の屋根に葺き替えたい場合は、一度全部の瓦屋根を取り去る必要があるためコストが高くなってしまいます。

重量がある
他の屋根材に比べると重さがあります。

昔の瓦屋根は、屋根に重みのある泥を塗って瓦を葺いていましたが、現在は軽いビスで止めており、その上、瓦屋根自体もかなり軽くなっています

【よく質問される事柄】瓦は地震に弱いか?

地震のニュースで流される映像には、瓦で倒壊した家が移りだされることが多いですね。そうした映像は瓦が地震に弱いというイメージが定着してしまった要因の一つかもしれません。
しかし本当の所は、瓦屋根の重さが直接地震での倒壊に繋がっているわけではありません
なぜなら建物の耐震性は、建物の構造や躯体に依存するところが大きいからです。つまり地震で倒壊した建物は古いものが多く、骨組みや構造に問題があったわけです。言い換えれば、軽い屋根でも建物の躯体に問題があると倒壊するということです。
たしかに瓦は重いので、その分だけ建物も強靭である必要がありますが、屋根の重量だけで建物が倒壊することはありません
これらの点を考えると、瓦も耐震性は強い屋根材といえるでしょう。

瓦屋根の耐震性を知る

セメント瓦(スレート・モニエル)のメリット・デメリット

セメント瓦には厚みが1cm以上あり普及率は低いセメント瓦と1cm以下の普及率の高いスレート瓦があります。
またセメント瓦の一種でコンクリート瓦もありモニエル瓦が有名です。
下記にスレート瓦とモニエル瓦のそれぞれのメリット・デメリットを説明します。

スレート瓦の特徴

スレート瓦は、セメントと繊維素材を混ぜ、高温で成型し塗装を施した屋根材です。
コロニアルやカラーべストといった呼び方もされていますが、商品名だったものが親しまれてスレート瓦の別名となっています。
さまざまなメリットから、屋根材として広く普及しています。

スレート瓦のメリット

価格が安い

スレート瓦は屋根材の中ではもっとも安価です。1㎡当たり4,500〜8,000円程度です。
本来スレートは高いのですが、屋根材として使用される部分は少ないため全体のコストが抑えられるわけです。
また加工しやすく施工も簡単で工事費用も安くすみます。

デザイン性が高い

色の種類は豊富です。実に24色以上あるため和風、洋風を問わず合わせられ、個性的でおしゃれな外観を望まれる方に人気です。

扱える業者が多い

スレート瓦の施工のしやすさや高い普及率は、扱える業者が多くあるということでありメリットといえます
見積りをとって業者の比較ができますし、その後のメンテナンスの依頼しやすさにつながります。

スレート瓦のデメリット

割れやすく耐久性が低い

スレート瓦は厚さが5㎜と薄いため、割れやすいという耐久性の低さがデメリットです。
また塗膜で保護され防水性を保っていますが、塗膜が剥がれると主成分がセメントのため吸水しやすく、苔や藻が繁殖して汚れが気になる問題もあります。

定期的な塗装メンテナンスが必須

スレート瓦は約10年毎の塗装メンテナンスが必須です。
スレート瓦は、水を吸水しやすいセメントでできており、防水性を保つために塗装を施さなければなりません。
塗装を行うことでスレート瓦の20~30年の寿命を伸ばせます。

スレート瓦について下記の記事で詳細をご覧ください。

スレート瓦とは?メリット・デメリット・メンテナンスと費用を解説

モニエル瓦のメリット・デメリット

モニエル瓦の特徴と3つのメリットと1つのデメリットを説明します。

モニエル瓦の特徴

モニエル瓦はセメント瓦の一種で正確にはコンクリート瓦で、セメントと砂利を混ぜて作られています
モニエル瓦は、外資系の会社でしたが日本を撤退したことで、現在は製造販売されていません。しかしかつては人気だった瓦です。
またモニエル瓦は着色スラリー層という塗膜で塗装されているのが特徴です。

モニエル瓦のメリット

デザイン性と色彩

モニエル瓦は和風洋風を問わず、施工のしやすさで個性豊かなデザインにできます。
またモニエル瓦の特色でもある着色スラリーは、色彩も豊かで住む人のオリジナリティを反映したものにできます。

遮熱性や防音性

モニエル瓦は熱を遮り、強い日差しを受け止める頑丈さをもっています。
また同時に雨音などの外部騒音からも守ります。

耐用年数の長さ

モニエル瓦は着色スラリーの塗装によって、50年近く耐用年数が伸びます
廃盤になった今もメンテナンスをしっかり行うことで長持ちさせ、美しく使い続けられています。

モニエル瓦のデメリット

防水性が失われるためメンテナンスが必須

モニエル瓦は直射日光の紫外線を浴び風雨に晒されることで、着色スラリーの塗装が落ちてくることで色あせが生じます。
色あせが出てきたら防水性が低下していると判断できます。
防水性が弱ると、セメントが水を吸収しカビ、コケが発生しひび割れが生じ、コンクリートをもろくします。
色あせが出てきたら、防水性が低下しているサインです。瓦がボロボロにならないため着色スラリーの塗装メンテナンスが必須です。

モニエル瓦の詳細については下記の記事が大いに参考になります。

モニエル瓦とは?長持ちの秘訣は塗装!注意点と費用も解説

金属瓦のメリット・デメリット

金属瓦の特徴と3つのメリットと3つのデメリットを説明します。

金属瓦の特徴

金属の屋根と聞くと平たい屋根を連想しがちですが、和瓦のような外観をもつ美しい金属瓦があります。
金属ならではの軽さと強度と耐久性などとデザイン性や色などと両方兼ね持っているのでおすすめ屋根材といえるでしょう。
また金属の反射性の高さは、直射日光の熱を反射するため夏の冷房代の節電対策にもなります。

金属瓦のメリット

軽いので地震の時には有利

金属瓦は非常に軽く和瓦に比べると10分の1程度の重さです。
耐震性は前述したように屋根材と建物の頑丈さのバランスが重要でしたが、地震の揺れについては、和瓦の場合は重心が屋根部にかかるため大きくなります。
しかし金属瓦の軽量さは重心が下にかかる分、揺れが少なくて済むメリットがあります。地震大国の日本では嬉しい屋根材といえるでしょう。

メンテナンス費用の安さ

金属瓦はメンテナンス費用を安く抑えるメリットがあります。
なぜなら耐久性に優れた金属瓦は、15年~20年に一度に塗装すれば十分だからです。
また素材によって異なり、ガルバリウム鋼板は定期的なメンテンナンスが必要ですが、ステンレス鋼板の場合はメンテナンスが不要です

耐久性・耐候性・環境への配慮

金属瓦は耐久性にも優れ、設置が十分だと25年~60年と長持ちです。
耐候性においても、台風などの強風、雹などの落下物に強く防火対策にもなります。
金属瓦は再利用が可能なため環境にも配慮された屋根材といえるでしょう。

金属瓦のデメリット

初期コストが高い

他の屋根材と比較しても初期費用は高くつきます。1㎡当たり6,000〜9,000円です
しかし長持ちすることを考えれば長期的に見てお得といえるでしょう。
初期費用の安いスレート瓦などにするか、長い目でみて金属瓦でメンテナンス費用を安く浮かせるか検討の余地がありますね。

遮音性が低い

金属瓦は断熱材によって雨音などが気になることがあります。断熱材次第ですので、性能が良いものを使用することで解決できます

錆びが生じる

金属瓦は錆が発生しないように、きちんとした塗装が必要です。
錆びた屋根を放置すると、屋根に穴が開き雨漏りしてきます。
金属瓦を設置する場合は、錆止め塗装を施したり、全体を塗装し直すことで錆対策をすることをおすすめします

まとめ

瓦屋根には和瓦・洋瓦だけでなく、セメント瓦のスレート瓦やモニエル瓦、そして金属瓦について、それぞれのメリット・デメリットを比較検討していただけるようまとめてきました。

どの瓦にも良さや欠点はあるものですし、値段もさまざまです。自分にあった瓦を納得して選択していただけるように、この記事を役立てていただければ幸いです。

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