屋根のリフォームの適期とは?施工方法や業者の選び方を解説
「そろそろ、うちの屋根もリフォームの時期に差しかかっているのでは?」
「ひどい風や雪のあとは屋根のことが気になるけど、いつ手入れをすればいいのかわからない。」
こんな声をよく耳にします。
屋根は見えづらい場所にあるため、室内や外壁などのリフォームのあとに回してしまいがちです。
そこで今回の記事では、屋根のリフォームの種類や業者の選択方法まで幅広く解説していきます。
ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
屋根リフォームの重要性
住宅の屋根は、家全体の安全と快適性を保つために非常に重要な部分です。
まず、屋根はさまざまな気象条件から住まいとその住人を守る役割を果たし、雨や雪、風、太陽の熱などの影響を防いでいます。
また、屋根には断熱効果もあり、住宅の室温を安定させてネルギー効率を向上させる役割も担っています。
さらに、屋根は家の外観にも大きな影響があり、住宅のイメージは屋根のデザインや色によって大きく変化します。
ですから、屋根の耐久性とその機能の維持は家を守るうえでとても大切といえるでしょう。
屋根リフォームの種類
ひとくちに屋根のリフォームといっても、施工方法にはいくつかの種類があります。
それぞれのリフォーム方法の概要について解説していきましょう。
屋根の塗装
屋根の塗装は、外観を美しく保ちながら、耐久性と防水性を向上させるリフォーム方法です。
適切な塗料を選び、定期的に塗り替えることで、屋根の劣化や損傷を防いで住宅を維持します。
屋根の塗装によるリフォームは、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)やセメントを主原料とするスレート屋根のメンテナンスに欠かせません。
その理由は、ガルバリウム鋼板屋根は年月が経つと腐食や色褪せが目立つこと、スレート屋根はセメント自体には防水性がなく、表面の塗装で性能を保っていることが挙げられます。
また、金属屋根では熱反射塗料を採用することで、太陽からの熱を遮断して室内温度を快適に保つ効果もあります。
屋根の重ね葺き(カバー工法)
屋根の重ね葺きは、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて設置するリフォーム方法です。
既存の屋根を撤去しないことから、コストを削減して効率的に屋根の性能を向上させられます。
ただし、屋根全体の重量が増えるため、建物の重心が上がることには注意が必要です。
屋根の重ね葺きリフォームがとくにおすすめの屋根は、一定の時期に製造されたスレート瓦屋根です。
セメントを主原料としてアスベストで耐火性能や強度を持たせていた初期のスレート屋根は、葺き直しや葺き替えをするとなると高額な処分費用がかかります。
そのため、軽量な金属屋根を重ね葺きすることによって、屋根の寿命を延ばすというリフォームの需要があります。
屋根の葺き直し
屋根の葺き直しは、屋根材をいったん取り外して下地材や防水シートを新しくしたのちに、同じ屋根材を設置するリフォーム方法です。
伝統的な日本瓦(和瓦)は屋根材の寿命は50年以上とも言われています。
しかし一方で、瓦の下地材や防水シートは15年〜20年を目途にメンテナンスが必要です。
葺き直しによるリフォームは、葺き替えと比較すると屋根材の廃棄費用が必要ないため、リフォームにかかる費用が節約できるメリットがあります。
ただし、屋根材は元のまま葺き直すことから、住宅の外観はほとんど変化しません。
屋根の葺き替え
屋根の葺き替えは、屋根材を取り替える大規模なリフォームです。
屋根材が耐用年数を超えていたり、大きな損傷があったりする場合に採用される施工方法です。
葺き替えでは、既存の屋根材をすべて交換するとともに、屋根の下地材や防水シートも新しくできます。
日本瓦では劣化の状態によっては「葺き直し」で対応できる場合もあります。
しかし、セメント瓦やモニエル瓦は屋根材の耐用年数が粘土瓦ほど長くありません。
そのため、葺き替えるときには新しい素材を用いた屋根材への張り替えがおすすめです。
軽量で耐久性が高い「ガルバリウム鋼板」や比較的リーズナブルな「スレート屋根」などへ葺き替えると
住宅が支えている屋根の重量が軽くなり、結果として家全体の寿命を延ばせます。
メンテナンスが頻繁に必要な屋根材を新しい屋根材に葺き替えることによって、住宅全体の性能や耐久性が大幅に向上します。
屋根リフォームのメリット
屋根をリフォームするとどのようなメリットがあるのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
防水性能の向上
屋根は住宅をさまざまな気象条件から守る役割を担っています。
そのため、屋根材に合わせたリフォームによって、防水性を保つのに効果的な対策を取ることが必要です。
スレート屋根では、屋根材の主原料であるセメントには防水性がないため、定期的な塗装によって防水性能を保たなければなりません。
また、その他の屋根材でも防水シートの寿命が来る前のメンテナンスが重要です。
屋根の構造体である野地板にまで傷みが及ぶことがないように、定期的なリフォームをおすすめします。
断熱性能の向上
さまざまな屋根材や塗料の開発や商品化が進んでいるなか、屋根のリフォームによって住宅全体の断熱性を向上させることもできます。
屋根のリフォームによって断熱性を高める主な方法としては
- 断熱塗料を屋根材に塗装する
- 断熱性の高い屋根材に葺き替える
- 重ね葺きによって断熱性を高める
があります。
いずれの方法で屋根の断熱性能を高めたとしても、光熱費の削減につながるでしょう。
しかし、劣化している屋根材を塗装のみでメンテナンスすることはおすすめできません。
屋根材の現状に合わせたリフォームを考えることが重要です。
見た目やデザインの変更
屋根材の劣化が気になる場合は、塗装のカラーや重ね葺きや葺き替えを検討して住宅の外観の印象を変えてみませんか。
屋根は住宅のなかでも広い面積を占めているため、色や素材を変更することで家全体の雰囲気ががらりと変化します。
屋根のリフォームは屋根の機能を保つために行うと考えている人が大半ですが、色や素材をアレンジすると、住まいのイメージを変えられることにも注目しましょう。
屋根リフォームのタイミング
屋根のリフォームの必要性やリフォームをすることで手に入れられるメリットについて解説してきました。
では、具体的に「いつ」どのタイミングで屋根のリフォームをするべきなのかを見ていきましょう。
劣化のサインを見逃さない
屋根は住宅のなかでとても大切な部分であるにもかかわらず、実際に目視することが難しく、気づいたときには劣化が進んでいることが考えられます。
劣化のサインを見逃してしまうと、屋根のリフォームにかかる費用が膨らんでしまいかねません。
ガルバリウム鋼板屋根では、色褪せや錆の発生が広範囲の腐食に広がります。
また、スレート屋根では、瓦のひび割れや欠けは下地への影響が心配ですし、カビや苔が表面に発生すると防水性が低くなっていると考えられます。
屋根材のなかでも寿命が長い日本瓦では、棟瓦と呼ばれる部分の土台がゆらぐと気づいたときには雨漏りということも。
定期的な点検が屋根のリフォームのタイミングを見逃さない最善の方法です。
天候や季節の影響
昨今では暴風や大型の台風、豪雪などの異常気象が多発しています。
屋根は住まいを気象条件から守ってくれる一方で、そんな気象条件の大きな影響を受けています。
ですから、暴風や台風の通過後は目に見える被害がなかったとしても、屋根の点検の適期と考えてみてください。
専門業者に点検を依頼すれば、思わぬ傷跡が見つかってリフォームのタイミングとなるかもしれません。
屋根リフォーム業者の選び方
屋根のリフォームは費用もかかりますし、信頼できる業者に任せたいですね。
実際にどのようにして屋根リフォーム業者を選べばよいか、注意点も交えてお伝えしましょう。
見積りの比較
屋根をリフォームしようと考えたときには、必ず複数の業者から見積りを取るようにしましょう。
見積りは「〜一式」といった概算ではなく、詳細を記載してもらうように要望することをおすすめします。
また、見積りのなかで不明な点があれば、必ず質問をして納得したうえで契約してください。
ホームページで過去の実績を確認
パソコンやスマホで検索できる時代ですから、信頼できる業者であれば必ずホームページを運用しています。
いきなり訪問して営業するような業者は、暴風や台風のあとにやってきて焦らせるような言葉をかけてきます。
信頼されていて常に仕事がある屋根の専門業者は、このような営業はまず行いません。
依頼しようとする業者のことは、ネットで検索して過去の実績や費用などを調べてみましょう。
施工後の保証やアフターサービスについても確認しておくことをお勧めします。
まとめ
屋根のリフォームといっても施工方法に種類があり、屋根材の現状に合った選択をしなければなりません。
また、屋根は住宅の重要な部分でありながら、状態の確認が難しくリフォームが後回しになることも多いでしょう。
さまざまな気象条件から住まいを守ってくれる屋根は、ぜひ定期的に点検してメンテナンスすることをおすすめします。