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台風に強い屋根とは?屋根材の種類と形状別にわかりやすく紹介します

最近の台風は勢力も頻度も増してきていますね。台風が過ぎ去った後の被害の状況をニュースを見聞きすると、屋根が飛ばされる被害や飛来物で屋根が破損することがよくあるといわれています。

破損した場合には修理しなければなりませんが、そもそも台風に強い飛ばされない屋根であることが必要ですね。

そこで、本記事は台風に強い屋根とはどんな屋根か、その形状や屋根材を解説していきたいと思います。

また同時に、台風に弱い屋根の特徴にも触れていますので、日ごろから注意できる参考にしていただける記事ですのでどうぞ最後までお読みください。

台風に強い屋根とは?

台風に強い屋根とは、台風の暴風と豪雨に耐え、被害を受けない屋根のことです。
建築基準法でも「耐風等級1」が定められています。その規定では稀に発生する50年に一度あるかどうかといった台風にも損傷を受けない建物の建築が必要であり、当然のことながら屋根も例外ではありません。

なお、稀に発生する台風の平均風速は、具体的にいうと約30~35m/sです。それに耐えられる屋根の強さが必要になりますね。

台風に強い屋根材の3つの条件

屋根材を選ぶ際の大事な条件として、重量・耐風性能・防水性能の3つがあげられます。

それぞれについて説明します。

重量

屋根材に重量があるなら、強風による屋根材の浮き上がりを防ぎます。また重い屋根材は、建物の重心を下げて構造を安定させるだけでなく、風による揺れを抑えるため台風の強風対策として有効です。

ただし、重ければいいわけではなく、重いと建物の躯体に負担がかかりますから、適切なバランスを考慮しなければなりません。

耐風性能

台風の強風に耐えうる屋根材であるべきです。

暴風で屋根材が飛んでしまうと、近くの住宅の窓ガラスを割るなどの被害を及ぼします。また、屋根材がめくれてしまうなら、雨漏りがしてくるでしょう。

ですから、屋根材は耐風性能が高くなければなりません。

防水性能

台風時は風速が強く、横殴りの雨にも建物に雨水が侵入して雨漏りを防ぐために、防水性能が高い必要があります。もし、屋根材が水を含むなら、建物の構造や内装にダメージを与えるでしょう。

また、屋根が損傷した場合の修理に保険や補助金を申請する場合、台風対策に防水性能がある屋根材の使用が条件づけられている場合があり注意が必要です。

台風に強い屋根材とは?

ここでは、一般的に使用されている瓦屋根、スレート屋根、金属屋根、ガリバリウム屋根を考えていきますが、それぞれの屋根材が持つ台風の強さと、弱い一面について解説していきます。

ではそれぞれの屋根を考えていくことにしましょう。

瓦屋根

瓦屋根は重さがあるため、強風による浮き上がりを防ぎ、また風にも強く剝がれにくい特性があります。

また、瓦屋根は瓦を重ねて葺くという設置の仕方が、雨水の排水を効果的に促します。そして、耐久性は100年近くあるため、劣化しにくく台風などの気象条件にも耐える屋根材といえるでしょう。

ただし、瓦屋根は固定されていない部分が多く、ズレるとすぐ治しやすいですが、風速25m程度から飛んでしまう可能性がある点は、台風に弱い一面です。最近よく使用されるのが防災瓦ですが、釘やビスで固定するので台風に強さを発揮し人気となっています。

スレート屋根

一般住居に一番多く使われているポピュラーな屋根材です。台風などの衝撃に比較的強いですが、軽く薄い屋根材のため、飛ばされたりひび割れしたりすることがあります。

また、防水機能は定期的な塗装を行うことで強化するため、そしてひび割れ箇所を補強したりスレート屋根材を固定したりすることと合わせて、定期的なメンテナンスと点検が必要です。

そうすることで台風への強さを維持できるでしょう。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、金属製で軽量ですが、台風の暴風でも浮き上がったり剥がれたりするリスクが低い強度の高い屋根材です。また、雨水の排水もよくサビにも強いため耐久性能や防水性が抜群で評判が高くなっています

ガルバリウム鋼板は、屋根にしっかり固定されている限り、台風の強風のも十分耐えられます。ただし、正しい施工と定期的な点検・メンテナンスは重要です。

台風に強い屋根の形状と不利な一面

屋根の形状によって、台風にどれだけ強く、反対に弱い一面があるかを解説します。

これから、5つの屋根について考慮していきましょう。

切妻屋根

切妻屋根の形状は、上が尖っており左右対称で安定しています。これにより、風を下にうまく流すため、台風の風圧を受けにくく、強風で揺れる心配がほとんどありません

また、雨水の排水も良いため、台風の豪雨にも対応しやすい屋根の形状といえます。

ただし、軒下から吹きあがる風で飛ばされる心配があるため、適切な施工で耐風性を高める必要があります。
しかし、全体でみるなら台風に強い形状をしているといえるでしょう。

寄棟屋根

寄棟屋根は、4つの面に傾斜があり風が四方に分散して流れることで、台風の風圧を受けにくく強い耐風性がある屋根です。
また、中央で交差する形状は全体を安定させ、強風の揺れや負荷に強いといえるでしょう。さらに、雨水の排水も良く、豪雨の際の浸水リスクを低めます。

そして、寄棟屋根の材料は、頑丈なもので作られるケースが多く、台風が及ぼす被害から免れやすいでしょう。ただし、屋根上のY字型のところに雨水が溜まることがあるため、切妻屋根より雨漏りする可能性があります。

全体として見るなら、寄棟屋根も正しい施工と点検がなされている限り、台風に強い屋根です。

方形屋根

方形屋根は、ピラミッドのような形をしており、頂点から同じ角度で4つの傾斜があります。

4つの方向から支えられた屋根のため丈夫で、雨水も4つの面に捌けていくため、台風の強風や豪雨に強いといえます。

ただし不利な一面として、屋根の頂点のつなぎ目の多さが、雨漏りの原因となることがあるため台風前には点検が必要な点です。

陸屋根

陸屋根は、水平で傾斜のないフラットな屋根のことです。雪国で落雪の事故に配慮して陸屋根が使われることがあります。

フラットな形状のため、風による被害を防げますが、傾斜がないので雨漏りのリスクが高まります

さらに、雨水や雪解け水の排水が良くないため、屋根材が傷みやすいので、台風に不利な一面がありやはり点検が必要ですね。

台風に弱い屋根の特徴

台風に弱い屋根の特徴は共通しています。

金属屋根を例に取ると、継ぎ目のない一枚の板金で作られ雨漏りには強いですが、軽量で屋根の面積が大きくなる分、台風の強風でめくれ上がったり飛ばされたりしやすくなるため、台風の強風には弱いといえるでしょう。

同じ特徴を示す屋根として、瓦棒屋根や折板屋根、立平葺き、片流れ屋根などがあります。

台風で屋根が飛ばされないための対策

台風が近づいてくる情報が入ったら、以下の4つの項目で点検と確認を心がけてください。

棟板金をしっかり固定する

棟板金とは、屋根と屋根が合わさる頂点にある金属製の屋根部材で、雨水が入らないように屋根全体の防水性能を高める役割を持っています。

台風前には、棟板金が飛ばされないように、しっかり固定しておく必要があるため、棟板金の釘の抜け落ちがないか確認しましょう。

破損していないか点検し修理する

日本瓦やスレート瓦が割れていたりひび割れしたりして破損していると、そこから雨漏りしたり破損個所が吹き飛んだりします。破損した数枚の瓦を入れ替えて、ズレないようにしっかり固定し設置するようにしましょう。

窓ガラスが割れないよう保護する

台風で窓ガラスが割れると、屋根まで吹き飛ばされることがあります。

そして室内にいる人もケガする危険が生じますので、窓ガラスは割れないよう、養生テープを交差して数か所貼り、段ボールで覆うなどして保護するようにしましょう。

軒の長さを考慮して建てる

軒先があると、外壁と屋根の間に雨水が入り込まない対策となります。しかし長すぎると下から巻き上がってくる風の負荷を強く受けてしまいます。

ですから、台風に強い屋根にするため、軒の長さの調節を考えて家を建てる必要があるでしょう。

屋根材が飛ばされてしまった場合の対処法

近年の大型台風で、屋根が飛ばされてしまう場合はどうしたらいいでしょうか。

まず近隣に被害が及んでいないかの確認が必要です。もし近所の住宅のガラスを割ってしまった場合は、自然災害による不可抗力で弁償義務はないとしても、修理費を支払ったほうが、今後のご近所付き合いを円満にする上で賢明でしょう。

そして、業者に屋根全体のチェックをしてもらい、雨漏りにつながらないよう必要な修理をします。

台風後の飛び込み営業を断固拒否する

台風が過ぎ去った後には、飛び込み営業が突然やってきますので注意しましょう。

「近くの家の屋根を修理していたら、お宅の屋根が飛んでいるのが見えたので無料で点検しますよ」と言って言葉巧みに心配を煽り、「今ならお安くしておきます」と言いながら法外な値段を取ろうとする素人まがいの業者の被害が急増している様子をニュースで見たり聞いたりしますね。

さらに悪質な場合は、被害がないにもかかわらず、わざと屋根を破損させてその箇所を写真に撮り、修理を促す悪徳業者がいます。ですから、飛び込み営業で屋根に上がらせることは絶対やめましょう。

信頼できる業者は、点検・見積は無料ですので「懇意にしている業者がいるから必要ありません」と言って毅然として断ってください。

まとめ

台風被害を最小に抑えるため、屋根材や屋根の形状をご紹介し、できる対策などもお伝えしてきました。

どんな台風がきても大丈夫な屋根材や屋根の形状は、存在しないかもしれませんね。それぞれ有利な面と不利な面を兼ね備えています。

有利な面を生かして、不利な一面には大いに注意し台風に備えられます。

そして台風後にやってくるのが「飛び込み営業」です。それも台風被害の一つといえるでしょう。

台風に強い屋根にしていくためにできることをして、近年増大する台風に備えたいものですね。

 

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