瓦1枚の大きさと値段はどのくらい?交換にかかる費用相場も解説
「瓦が割れた」「そろそろリフォーム時期」など、瓦の交換が必要になったときに気になるのが、費用ですよね。
瓦の交換にかかる費用は施工範囲を目安に決まりますが、瓦1枚の値段も総施工費に大きく関わります。
そこで今回は、瓦1枚の大きさや値段、瓦の交換にかかる費用について説明していきます。
瓦の交換を検討している方は、参考にしてください。
瓦1枚の大きさはどのくらい?
瓦1枚の大きさはどのくらいなのでしょうか?また、何種類ほどあるのでしょうか?
ここでは、日本瓦1枚の大きさについて説明します。
日本瓦の大きさは30.5cm×30.5cmが標準
日本瓦の大きさはJIS規格によって「縦30.5cm×横30.5cm」と、明確に定められています。
ここでいう日本瓦というのは、粘土瓦の「J形瓦」です。緩やかなカーブになっている瓦は、神社や寺をはじめ、現在でも多くの家屋に取り入れられています。みなさんが目にする機会がもっとも多い瓦ではないでしょうか。
またJ形瓦なら、いぶし瓦も釉薬瓦も大きさは共通です。
そして、瓦の呼び方は「1坪(3.3m² )あたりに使用する瓦の枚数」によっても異なります。
縦30.5cm×横30.5cmの瓦を1坪の広さに施工するときには、53枚の瓦が使われることから「53枚版」と呼ばれます。53枚版よりも小さな瓦は「80枚版」「100枚版」と呼ばれ、瓦のサイズが小さくなるほど枚数が増えていくのです。
また、瓦の形状が同じであれば基本的にサイズも同じなので、流用することもできます。
建物の大きさによって瓦の大きさも変わる
日本瓦の基本的なサイズは「縦30.5cm×横30.5cm」であると説明しましたが、使用する瓦の大きさは建物の大きさや部分によって異なります。
たとえば、玄関上や塀、門部分などに施工するときには、80枚版の「小瓦」を。建物に乗せる瓦は、建物の大きさに合わせてサイズを決めます。神社や寺のような大きな建物には、大きな瓦を使用します。
手前にある瓦のサイズは小さくし、奥にある建物の瓦を大きくすれば見た目のバランスがよくなり遠近感も生まれるからです。
サイズが同じだからといって組み合わせができるわけではない
同じJ形瓦であれば、いぶし瓦と釉薬瓦もサイズが同じで流用が可能だと説明しました。
しかし、同じ大きさでもS形瓦やF形瓦との流用はできないので、注意が必要です。
サイズは同じ「縦30.5cm×横30.5cm」ですが、そもそも形状が違うため噛みあわせることはできません。そのため、一部分のみ瓦を交換するときには、瓦のサイズだけではなく種類も必ず確認しておきましょう。
瓦1枚の値段はいくら?
瓦を乗せるときには大体の費用は施工範囲で決まることが多いのですが、瓦1枚の価格によっても総施工費用が上下します。
これから新築やリフォームを検討しているのなら、瓦1枚の費用相場も押さえておきたいですよね。ここでは、瓦1枚の値段と施工費用について紹介していきます。
瓦1枚の相場は300〜1,000円
瓦1枚の費用相場は「300〜1,000円」と、幅広くなっています。
瓦の種類や購入先によって、価格が上下するからです。
1枚で見ればとても安価なように感じますが、屋根全体に瓦を乗せるときには数百枚もの瓦が必要になります。そのためたった数百円の差でも、総額で見れば大きな差が出てしまうのです。
さらに、瓦を乗せるときには瓦1枚の価格のほかに以下のような費用がかかります。
- 人件費
- 足場費用
- 下地処理費用(葺き替えの場合)
- 廃棄物処理費用(葺き替えの場合)
瓦屋根の施工は職人によって行われるため、もちろん人件費がかかります。とくに、瓦の施工は屋根に登っての作業することになるため、危険を伴います。そのため、安全対策なども含めて人件費がやや高く設定されているのです。
そして葺き替えや広範囲に渡って工事する場合には、足場を設置しなければなりません。足場が必要な作業になると、費用総額は一気に跳ね上がります。
また、葺き替えをするときには、下地処理費用と廃棄物処理費用がかかります。
下地処理は、雨漏りを防ぐためにも必ず行う作業です。そして、葺き替え時には既存の瓦をすべて撤去するため、数百枚もの瓦を廃棄しなければなりません。
大掛かりな作業になるため、別途廃棄費用がかかってしまいます。
おおまかな施工費用は施工範囲で決まることが多い
前述したように、瓦屋根の交換をする場合の総施工費用は、施工範囲で決まることがほとんどです。
一部分の瓦を交換するときと、屋根全体の瓦を交換(葺き替え)するときの費用相場をみてみましょう。
一部分交換 | 5〜40万円 |
屋根全体交換(葺き替え) | 150〜400万円 |
一部分の瓦のみを交換するときには「5〜40万円」が費用相場です。
足場も不要な場合が多く施工もスムーズにできるため、その分足場代と人件費を抑えることができます。
一方で、屋根全体の瓦を交換するときには「150〜400万円」と、費用は一気に跳ね上がります。
屋根全体を施工するとなると、足場も必要になり、作業も大掛かりに。さらに、既存の瓦の廃棄費用などもかかってしまうからです。
瓦交換にかかる費用相場
ここまでは瓦1枚の値段や交換にかかる費用について説明してきました。
では、それぞれのm²単価はどのくらいなのでしょうか。みてみましょう。
内容 | 費用相場(m²単位) |
日本瓦の施工費用(人件費含む) | 8,000〜15,000円 |
下地処理費用 | 2,000〜3,500円 |
防水シート | 500〜1,500円 |
足場費用 | 600〜1,500円 |
廃棄物処理費用 | 1,500〜3,000円 |
紹介したのはあくまでも相場なので、屋根の条件や住んでいる地域、業者によっても費用は異なります。
正確な金額を把握するためにも、必ず見積もりを取りましょう。
まとめ
今回は、瓦1枚の大きさや値段、交換の費用相場について紹介してきました。
瓦1枚の値段の相場は「300〜1,000円」と幅広く、1枚で見ると安価なように感じますよね。けれど、屋根全体の瓦を交換するときには、数百枚もの瓦が必要になるため、数百円の差が何十万円もの差になってしまうのです。
また瓦の交換には、瓦費用の他にも「人件費・足場代・廃棄物処理費用・下地処理費用」などがかかります。
必ず業者から見積もりを取り、費用総額を確認してから依頼をしてください。