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モニエル瓦のメンテナンス方法とは?葺き替えや塗装についてわかりやすく解説!

ヨーロッパ生まれのモニエル瓦は、1970年ごろから2010年まで実に約40年にわたって日本でも頻繁に使用されていた屋根材です。

モニエル瓦は2010年に生産を終了しましたが、日本の住宅ではまだまだ現役で使われています。

最近ではあまり耳にしないモニエル瓦。今回は、富山で屋根の工事実績の豊富な当店が、モニエル瓦のメンテナンスについてくわしく解説していきます。

モニエル瓦についての基礎知識や気になる劣化症状についてもわかりやすい内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

モニエル瓦の基礎知識

モニエル瓦とは具体的にどのような屋根材なのでしょうか?

また、注意したいモニエル瓦の劣化症状についても知りたいと考えている方が少なくありません。

それぞれについてくわしく見ていきましょう。

モニエル瓦とスレート瓦の違い

モニエル瓦の正式名称は「乾式コンクリート瓦」です。

ヨーロッパで普及していた瓦を「モニエル社」とクボタが共同開発したことから、モニエル瓦と呼ばれるようになりました。

乾式コンクリート瓦とは、セメントに砂利を混ぜたコンクリートを主な成分としています。洋風の外観に似合うおしゃれなカラーバリエーションは、モニエル瓦の人気を後押ししました。

一方、近年、屋根材として人気があるスレート瓦は「セメント瓦」です。見た目だけでは区別がつかないほど似ているモニエル瓦とスレート瓦ですが、大きな違いはモニエル瓦の表面に存在する「スラリー層」です。

スレート瓦がセメントの上に塗膜でカラーや防水性能をプラスしているのに対し、モニエル瓦ではコンクリートの上にスラリー層という着色セメントで色を付け、アクリル樹脂のクリアトップコートで防水性能を保っています。

また、スレート瓦は現在でも国内で生産が続いていますが、モニエル瓦は2010年に生産を終了、モニエル社は日本から完全に撤退してしまいました。

万が一、風水害などでモニエル瓦が欠けたり、ひび割れたりして一部を交換したいと考えても、倉庫に残っている在庫頼りということになっているのが現状です。

モニエル瓦の劣化症状

初期のモニエル瓦は約40年、後期のモニエル瓦でも使用期間が10数年経過しています。

後期のモニエル瓦であったとしても、劣化症状が現れていてもおかしくない時期に差し掛かっているといえるでしょう。

モニエル瓦の主な劣化症状について解説していきます。

色褪せ

屋根は年々強くなる紫外線や風雨にさらされています。工場でスラリー層によって着色されていたモニエル瓦は、層の劣化によって色が褪せるとともに、防水性能も低下します。

日当たりの良い南側の屋根とその他の面を比較すると、色褪せの程度がわかりやすいです。

モニエル瓦の色褪せは瓦の防水性能の劣化のサインです。瓦や下地材などの傷みが進行する前に屋根専門業者へ点検を依頼しましょう。

苔・カビの繁殖

モニエル瓦の表面に緑色や茶色の着色を認めたら、苔やカビの繁殖が始まっていると考えられます。

苔やカビが繁殖するには水分が欠かせません。つまり、苔やカビが発生している場合には、モニエル瓦が水分を吸収する状態であることを示しています。

放置すると苔やカビが根を張って、瓦の劣化がさらに進みます。

モニエル瓦に苔やカビを見つけたら、早めにメンテナンスを検討しましょう。

ひび割れや欠け

強度が高い乾式コンクリート瓦であるモニエル瓦がひび割れるということは、劣化が相当進んでいる症状です。

コンクリートは水分量によって膨張や収縮を繰り返します。膨張や収縮はモニエル瓦にとって大きな負担となり、ひび割れへとつながります。

ひび割れを放置すると最終的にはひびが深くなって、瓦の欠落が起きることも予想されます。

ひび割れや欠けはモニエル瓦が水分を吸収してしまっている劣化症状です。

雨漏りなど、下地材などに被害がおよぶ前に、ぜひ補修を検討することをおすすめします。

モニエル瓦のメンテナンス方法

モニエル瓦を使った住宅が施工されてから、もうすでに10数年が経過しています。

モニエル瓦の劣化症状は10年前後で確認されることがほとんどです。

一度も点検やメンテナンスをしていないモニエル瓦は、何らかの劣化症状が現れている可能性が高いでしょう。

それでは、モニエル瓦の具体的なメンテナンス方法について解説していきます。

注意が必要なモニエル瓦の塗装メンテナンス

陶器瓦以外の屋根材のメンテナンスといえば、まず思い浮かぶのが「塗装」ではないでしょうか。

モニエル瓦のデメリットとされているのが、塗装メンテナンスの難しさです。

スレート瓦は主成分であるセメントに直接塗装しているため、古い塗膜を剥がして新しく塗装しやすいといえます。

モニエル瓦には、スレート瓦と違ってコンクリートの表面にスラリー層という着色セメントがあります。

一方、モニエル瓦に塗装するためには、防水性能をプラスしているアクリル樹脂の塗膜に加えて、スラリー層も取り除かなければなりません。

古いスラリー層を取り除ききらずに塗装メンテナンスすれば、せっかく補修したにもかかわらず数年で塗膜が剥がれてしまうこともあります。

屋根専門業者のなかでもモニエル瓦についての知識があり、施工経験を持つ業者を選ぶことが塗装メンテナンスのカギを握っています。

 

屋根の葺き替えによるメンテナンス

モニエル瓦を使用して住宅を新築してから、20年以上経過している場合には葺き替えによるメンテナンスをおすすめします。

モニエル瓦の下地である防水シートは20年を目途に耐久性が落ちるためです。

屋根全体の寿命を考えると、塗装でメンテナンスをしても、数年後に下地材が寿命を迎えては二度手間になってしまいます。

さらに、モニエル瓦は生産が終了している屋根材です。欠けや割れがあって部分的に差し替えたいと考えても、同じ瓦が手に入るとは限りません。

ひび割れや欠けが多数ある場合には、新しい屋根材へ葺き替えるメンテナンスをぜひ検討してみてください。

モニエル瓦の葺き替えにおすすめしたい屋根材

さてここからは、モニエル瓦の葺き替えにおすすめしたい屋根材の特徴やメリット・デメリットについてご紹介していきます。

モニエル瓦の葺き替えを検討している方は、ぜひ参考になさってくだい。

ガルバリウム鋼板

屋根のリフォームする際の屋根材として人気があるガルバリウム鋼板。耐久性が高く、軽量な金属製の屋根材です。

■ガルバリウム鋼板屋根のメリット

  • スレート瓦の1/5と軽量なので、住宅全体の耐震性能を高められる
  • 加工しやすいため、複雑な屋根の形状に合わせやすい
  • 着色が簡単にでき、カラーバリデーションが豊富である
  • 反射率が高く屋根の表面温度の上昇を抑えられる
  • 鉄を基材として亜鉛とアルミニウムのメッキを施されているため、耐久性にすぐれている
  • 塩害や積雪に強い

■ガルバリウム鋼板屋根のデメリット

  • 金属製なので断熱性が他の屋根材と比べると低い(断熱材と一体化した製品が登場している)
  • 1〜2mmと薄いため、雨音が大きく聞こえるなど遮音性に乏しい
  • 亜鉛とアルミニウムのメッキは薄く、キズが付くと錆びることがある
  • 錆びや色褪せなど表面塗膜の状態によっては、早めのメンテナンスが必要な場合がある

 

スレート瓦

葺き替えの費用を抑えたいときにおすすめしたいのが、スレート瓦です。「コロニアル」や「カラーベスト」とも呼ばれるスレート瓦は、セメントを主成分として塗装で防水性能を加えています。

■スレート瓦のメリット

  • 他の屋根材と比べて安い
  • 業者による施工技術の差が少ないため、安心して任せられる
  • モニエル瓦と比較すれば屋根の軽量化がはかれる

■スレート瓦のデメリット

  • 他の屋根材と比べてメンテナンス頻度は高めである
  • モニエル瓦から葺き替えた場合、遮音性・断熱性は低くなる
  • ひび割れや欠けが起こりやすい

 

陶器瓦

住宅全体の高級感を大切にしたい場合には、陶器瓦という選択肢も考えられます。

しかし、施工費用は他の屋根材に比べて高額になりがちであり、モニエル瓦から葺き替えると住宅の耐震性能が低下することを考慮しましょう。

■陶器瓦のメリット

  • 高い遮音性と断熱性を保てる
  • 住まいの外観の高級感が上がる
  • 耐久性がとても高い

■陶器瓦のデメリット

  • 重い屋根材であるため、住宅の耐震性能が下がる
  • 葺き替え費用が高額になる

 

まとめ

モニエル瓦についての基礎知識とメンテナンス方法、そして葺き替えにおすすめしたい屋根材について解説してきました。

モニエル瓦は生産が終了していることから、いずれは他の屋根材への葺き替えを検討しなければなりません。

また、塗装によるメンテナンスはモニエル瓦への対応に慣れている屋根専門業者へ依頼することが重要です。

住まいを守っている屋根は、定期的な点検やメンテナンスによって長く使い続けられます。

今回の記事を参考に、モニエル瓦への理解を深めてぜひ適切なメンテナンスをしてください。

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