おしゃれにしたいなら洋瓦がおすすめ!メリットやデメリットなどを詳しく解説
家づくりの際には、ナチュラルやカントリー、北欧風といった家のイメージを決めますよね。家の外観イメージは選ぶ瓦によっても大きく変化するので、こだわりたい部分。外国風のおしゃれな雰囲気にしたいのであれば、「洋瓦」がおすすめです!
洋瓦にはさままざまな種類があり、選ぶものによって家のイメージも変化するので意外と悩むポイント。そこで今回は、洋瓦の種類や特徴、メリット・デメリットについてもお伝えします!
洋瓦の種類について
まずは、洋瓦の種類と特徴を紹介します。
粘土瓦とセメント瓦の2タイプがある
洋瓦には大きく分けて、粘土瓦とセメント瓦の2つのタイプがあります。粘土でできている粘土瓦には、フランス式の「F型」、スペイン式の「S型」の2種類があり、最近では南欧風住宅の流行に乗って「混ぜ葺き仕様」の瓦も販売されるようになりました。
セメント瓦は石灰岩と水を混ぜたセメントベースで作られた瓦で、代表的なのが「モニエル瓦」です。防音性や防水性に優れ、人気を集めていたのですが、耐震性や耐久性が低いことから徐々に生産数が減り、2010年に生産を終了してしまいました。
モニエル瓦は残念ながら生産終了してしまったので、ここでは「F型・S型・混ぜ葺き仕様」の3つの瓦の特徴を紹介します。
F型瓦(平板瓦)
フランス式のF型瓦は、見た目が平坦になっているシンプルな瓦です。現場によっては「平板瓦(へいばんかわら)」と呼ばれることも。名前の「F」はFlat(平ら)の頭文字のFから取った説と、France(フランス)の頭文字を取ってFになったという2つの説があります。
F型瓦は洋風の住宅ととても相性がいいのですが、そのシンプルさから和風モダンな住宅にも取り入れられることも。商品によって波上のものや凸凹になっているものなど、さまざまなデザインがあることもF型の魅力の一つです。
さらに、F型瓦は施工が比較的簡単なので、工期が短いこともメリットと言えるでしょう。最近では太陽光パネルを設置する住宅が増えており、軽量化したF型瓦を取り入れている家も多くみられます。
S型瓦
S型瓦は断面がS字のようにカーブしている瓦で、名前の由来はスペイン(スパニッシュ)からきています。S字にカーブしている瓦は凸凹がはっきりとしているため、立体感と高級感を演出することができます。
赤土色や茶色などの温かみのある色が人気ですが、黒や緑、黄色といったアクセントになる色もあり、カラーバリエーションが豊富なこともうれしいポイント。しかし、施工の難易度が高いためF型瓦と比べると工期も長く、費用も高くなってしまうことはデメリットです。
S型の瓦は、費用や工期がかかっても「デザイン性を重視して仕上げたい」という方におすすめです。
混ぜ葺き仕様
混ぜ葺き仕様の瓦は、F型やS型の瓦に色ムラをつけて作られている瓦です。「混ぜ葺き」は、2〜3色程度の瓦を混ぜながら設置する方法です。そんな混ぜ葺きは、南欧風や洋風の住宅と相性がいいことから人気を集めていたのですが、複数色を組み合わせる方法は一歩間違えれば単調や派手になってしまいます。
そこで、家のイメージと差を出さないために考えられたのが「混ぜ葺き仕様」の瓦です。瓦に数種類の色を焼き付けることで「色ムラ」をわざと作り、屋根に並べたときには混ぜ葺きで施工したように見えます。
デザインの失敗がなく、混ぜ葺きよりも簡単に施工できるので、南欧風の住宅にしたい方は混ぜ葺き仕様の瓦を検討してみてください。
洋瓦のメリットとデメリット
洋瓦の種類と特徴を説明してきましたが、施工するうえで気になるのが「メリットとデメリット」ですよね。ここでは、洋瓦のメリットとデメリットについてお伝えしていきます。
デザイン性が高く耐久性に優れている
洋瓦のメリットは、なんといってもそのデザイン性ではないでしょうか。形もシンプルなものや立体感のあるものがあり、カラーバリエーションも豊富なので、選択肢が多くあります。
洋風住宅のなかでも「シンプルにしたい」「少し奇抜にしたい」といった、自分の希望に沿ったデザインを選ぶことができます。
また、耐久性に優れていることも洋瓦のメリットです。スレート屋根やガルバリウム屋根と比べて耐久性が高いため、耐用年数も長く、メンテナンス費用を抑えることができます。初期費用は高額になりますが、ランニングコストからみると、コストパフォーマンスがいい瓦と言えるでしょう。
費用が高額で重量もある
デザイン性が高く、耐久性にも優れている洋瓦ですが、費用が高額で重量もあることはデメリットです。洋瓦はスレート屋根やガルバリウム屋根と比べると初期費用がかかり、とくにS型は施工の難易度が高いため、洋瓦のなかでもとくに高額になりがち。
ランニングコストから見ると優秀な洋瓦ですが、初期費用の面から見ると費用が高額になることは、やはり大きなデメリットです。
洋瓦のメンテナンスについて
洋瓦のメンテナンスは基本的に「10〜20年」周期です。しかし、地震や強風などの外的要因によって、瓦がヒビ割れたり棟瓦が外れたり破損してしまうと、補修が必要になります。
とくに「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」が確立された2001年以前に建てられた住宅の瓦は、地震や強風の影響を受けやすくなっているので注意が必要です。地震や台風などの自然災害後には、瓦に問題が起こっていないか必ずチェックしておきましょう。
参考:一般社団法人全日本瓦工事業連盟「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」
自然災害によって瓦が破損し、雨漏りした場合には火災保険で屋根を修理することも可能です。定期的なメンテナンスが屋根を長持ちさせるので、点検や補修はしっかり行いましょう。
自然災害による火災保険の適用については、こちらの記事も参考にしてください。
洋瓦を取り入れておしゃれな家づくりを!
洋風の瓦にも「F型・S型・混ぜ葺き使用」など、さまざまな種類があることがわかりました。高いデザイン性と耐久性を持つ洋瓦は、初期費用がかかることがデメリットですが、ランニングコストからみると優秀です。
また、選ぶ洋瓦によってもデザインや費用が異なるので、それぞれの特徴を把握したうえで、自分の住宅と予算に合うものを選びましょう。洋風の住宅をイメージしているのなら、洋瓦を検討してみてくださいね。