
雨漏りしてしまったときに必要な修理と費用について
突然の雨漏り。家に与える影響も心配ですが、なにより心配なのが「修理費用」ですよね。
雨漏りの修理費用は、原因箇所や修理方法によって大きく異なります。今回は雨漏りしてしまったときに必要な修理や、費用相場についてお伝えします。
雨漏りの修理をする前にどこから雨漏りしているのかをチェック!
雨漏りに気がついたら、まずはどこから雨漏りをしているのかを確認しておきましょう。
瓦やスレート屋根からの雨漏り
瓦やスレート屋根に飛来物が当たったり経年劣化したりすると、瓦がヒビ割れて雨が染み込み、雨漏りしてしまうことがあります。
しかし、屋根は家のなかでもとくに雨漏り対策がされている部分なので、屋根からの雨漏りは意外と少ないのです。
瓦の一部分のヒビ割れが雨漏りの原因の場合、破損している瓦やスレート屋根を交換してコーキングするだけなので、費用はあまりかかりません。
棟瓦や棟板金からの雨漏り
棟(むね)は住宅屋根の一番高い部分に取り付ける屋根部材です。スレート屋根をはじめとした金属屋根の棟は金属製の棟を用いるため、板金棟と呼ばれています。
棟瓦や板金棟が原因で雨漏りしているときには、経年劣化によって棟瓦や板金棟が浮き、そこから雨水が侵入している可能性があります。
棟瓦が劣化している場合には、棟の部分補修や棟の取り直し。板金棟が劣化が見られるときには、下地である貫(ぬき)材と棟板金の交換が必要です。
ベランダからの雨漏り
意外に思うかもしれませんが、ベランダから雨漏りをしてしまうこともあります。外装の亀裂やコンクリート部分のヒビ割れによって、住宅に雨水が侵入してしまうのです。
ベランダが原因で雨漏りしている場合には、亀裂やヒビ割れを起こしている部分をコーキングして雨漏りを止めます。
雨漏りの度合いによっては、防水層の修理や床下地の交換などが必要です。
外壁が原因の雨漏り
雨漏りは外壁部分からも起こります。外壁部分がヒビ割れていたり、塗装が剥がれたりしているとそこから雨水が住宅内に侵入します。
ヒビ割れだけではなく、サンディングの反りや釘の抜け穴が原因で雨漏りしてしまうことも。
軽度のヒビ割れや穴であれば、シーリングやパテを使って補填するだけで補修ができます。しかし重度のヒビ割れや外壁が全体的に劣化している場合には、外壁部分全体の修繕が必要です。
窓からの雨漏り
窓から雨漏りしている場合、ガラス部分ではなく窓周辺から雨漏りしていることがほとんどです。
住宅を作るときには窓を壁穴にはめ込んで設置するため、少しだけ隙間ができてしまうことがあります。施工時には小さな隙間でも時間が経つにつれて隙間が広がり、雨漏りしてしまうのです。
隙間が原因で雨漏りしているときには、隙間のシーリングや窓枠やサッシの交換が必要になります。
雨漏りの補修にかかる費用相場
雨漏りの原因や大まかな補修方法がわかったので、それぞれの費用相場を見ていきましょう。
瓦やスレート屋根からの雨漏り
瓦やスレート屋根からの雨漏りの場合、ヒビ割れしている部分のみを差し替える場合と葺き替えで費用にとても差がでます。
瓦やスレート屋根の差し替えにかかる費用相場は、以下の通りです。
瓦の差し替え | 2,000円〜6万円 |
スレート屋根の差し替え | 1〜6万円 |
業者によっては瓦やスレート屋根1枚の修理から受け付けているので、部分的な交換であれば安価で済ませられます。
しかし、屋根材の部分的な交換はあくまでも応急処置になるので、全体的に劣化してきている場合は屋根全体のメンテナンスを検討してください。
では、屋根の葺き替え工事の費用相場を見てみましょう。
瓦屋根 | 50〜250万円 |
スレート屋根 | 95〜220万円 |
葺き替えになると費用相場は50〜200万万円台と、かなり高額になります。葺き替え時期の目安や費用については、こちらの記事もご覧ください。
棟瓦や棟板金からの雨漏り
住宅の一番高い位置にある棟部分を修繕するときには、足場代や養生代に20万円ほどかかるため、費用は高額になります。
棟瓦 | 5〜40万円 |
棟金棟 | 30万円前後 |
棟瓦が劣化しているときには棟の部分補修のみで済む場合と、取り直しまで必要になる場合の2パターンがあります。
棟瓦に崩れている部分があれば瓦を積み直す作業が必要になるため、棟の取り直しまで行わなければなりません。その場合は総額で40万円程度かかることもあります。
棟板金の交換にかかる費用は6万円程度と比較的安価ですが、ここに足場や養生費用、人件費施工が加わり、総額で30万円前後になります。
ベランダからの雨漏り
ベランダの雨漏り補修は、コーキングのみで補修できる場合と防水層や床の下地交換まで必要な場合があり、費用もそれぞれ異なります。一般的な2階建て住宅のベランダ補修の費用相場を見てみましょう。
コーキングによるヒビ割れ補修 | 7〜15万円 |
コーキングの打ち替え | 16〜21万円 |
防水層修理 | 3〜10万円 |
床下地交換 | 15〜20万円 |
軽度のヒビ割れや亀裂であれば、コーキングによる補修や、コーキング材の打ち替えで補修できます。しかし、水漏れの状態によっては防水層の修理や下地交換が必要になるため、その分費用も高額に。
目視点検であれば無料で行っている業者もあるので、まずは雨漏りの状況を確認してみましょう。
外壁が原因の雨漏り
外壁が原因で雨漏りしているときには、劣化の度合いによって費用に大きく差が出ます。
一部ヒビ割れなどの軽度の補修 | 5〜50万円 |
外壁全体の劣化による中〜重度の補修 | 80〜200万円 |
一部分のヒビ割れや穴であれば、コーキングやパテで部分補修を行うだけなので、費用はあまりかかりません。しかし、ヒビ割れの範囲が広がるに連れて費用は上がっていきます。
また、外壁が全体的に劣化している場合には大掛かりな修繕になるため、費用は200万円ほどかかることもあります。
窓が原因の雨漏り
窓の雨漏り修理の費用相場を見てみましょう。
コーキング補修・窓枠の補修 | 3〜25万円 |
サッシの交換 | 3〜50万円 |
コーキング補修であれば、3万円程度で安価に済ませることができます。しかし、サッシの交換になると50万円近くかかるため、業者に相談してどこまで補修が必要なのかを確認しておきましょう。
雨漏りには火災保険が適用されることも
ここまで読んでいただけたらわかるように、雨漏り補修の費用は意外と高額ですよね。雨漏りの原因によっては火災保険が適用され、保険を使って雨漏り箇所を修理することができます!
台風や暴風、大雨によって雨漏りした場合は「風災」扱いとなり、保険が適用されます。
雨漏り時の火災保険の適用については、こちらの記事に詳しくまとめているので併せてご覧ください。
雨漏りしていたらすぐに業者に点検依頼を!
雨漏りを放置していたら内部にまで雨水が侵入し、住宅内部にまで腐食が進んでいきます。腐食が進むと修繕費用も高額になるため、雨漏りに気がついたらすぐに対応することが大切です。
原因によっては火災保険が適用されることもあります。まずは業者に点検依頼をしましょう!