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瓦屋根の種類別メンテナンス方法と費用相場をご紹介

日本家屋らしい外観を作り出すのにかかせない瓦屋根。メンテナンスの必要がない、耐久性が高いと言われていますが、瓦屋根にも種類があることはご存じでしょうか?

今回の記事では、瓦屋根の種類を素材別に解説してそれぞれの瓦に必要なメンテナンス方法をご紹介していきます。

地元富山県で多数の屋根リフォームの実績を持つ当店の費用相場もご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

瓦の種類

瓦には大きく分けて、粘土瓦、セメント瓦、乾式コンクリート瓦(モニエル瓦)の3種類があります。

ところで、ご自身の住宅の瓦はどの種類なのか把握されていますでしょうか。

瓦の種類によってメンテナンス時期や方法が違うこともあるため、ご自宅の瓦屋根の種類は知っておくことをおすすめします。

1.粘土瓦

一般的に瓦といえば粘土瓦を指すことが多いです。

粘土瓦は、粘土を主な材料であり1000℃以上の高温で焼成して作られるのが特徴です。

粘土瓦は、主に釉薬瓦といぶし瓦の2種類に分けられます。

■釉薬瓦

陶器瓦とも呼ばれる釉薬瓦は、ガラス質の釉薬を表面にかけて仕上げられます。

釉薬の調合によって豊富な色があることと、瓦の表面がつややかなことが特徴です。

また釉薬で表面が覆われているため、水の浸透をほぼ防いで冬場の凍結の心配もありません。

主な産地としては、愛知県西三河地方(三州瓦)と島根県西部の石見地方(石州瓦)が有名です。

■いぶし瓦

和瓦特有のいぶし銀色をしたいぶし瓦。

いぶし銀色は瓦作りの焼成工程で燻す(いぶすと読みます)、つまりスモークされて瓦の表面に炭素皮膜ができることにより発色します。

釉薬や塗装を施していないいぶし瓦は、変化していく風合いを味わえる魅力が好まれています。

渋くて味わいのある名脇役の役者さんや野球選手を「いぶし銀」と表現することがありますが、いぶし瓦も同じように味わい深い粘土瓦です。

2. セメント瓦

別名「厚形スレート」とも呼ばれるセメント瓦は、セメントと水、砂を混ぜて瓦形に成型した後に塗装して仕上げた屋根材です。

粘土瓦に比べると安価なことから、昭和時代の高度成長期に大量生産されました。

セメント瓦自体に防水性能は無く、塗装による表面塗膜によって瓦は守られています。

そのため、定期的な塗装によるメンテナンスが欠かせません。

3.乾式コンクリート瓦(モニエル瓦)

乾式コンクリート瓦は、モニエル社とクボタの共同開発によって生まれました。

モニエル社と共同開発されたことから「モニエル瓦」と呼ばれることが多いです。

主原料はセメントと骨材ですが、表面を着色セメントとアクリル樹脂でコーティングされています。

そのため、セメント瓦と比較すると防水性、断熱性に優れているのが特徴です。

また豊富なカラーバリエーションで人気を集めていました。

しかし、2010年に生産が終了したため、新築の住宅での使用はほとんどありません。

瓦屋根の部分メンテナンス

瓦の種類とそれぞれの特徴がわかったところで、部分的なメンテナンス方法と当店の費用相場についてご紹介していきます。

メンテナンスの費用相場につきましては、屋根の作りやメンテナンス箇所によって変動します。

目安としてお考えください。

ご自宅の瓦の種類がわからない場合は、無料で点検にうかがいますのでぜひご相談ください。

瓦の差し替え

瓦は衝撃に強い屋根材です。

しかし、もっとも強い粘土瓦でも地震や凍害、台風など瞬間的な衝撃によって瓦が欠ける、ひび割れることがあります。

瓦の割れや欠けを放置していると、瓦の下にあり雨漏りを防いでいる防水シートが破損する可能性が出てきます。

そうなってしまってからでは、メンテナンス費用が高額になりかねません。

台風や地震などの後は、ご自宅の周辺に瓦が落ちていないか確認することをおすすめします。

また、目視で確認できない場合は専門業者に点検を依頼しましょう。

当店では瓦の差し替えは1枚から対応可能です。

数枚までの瓦差しかえの費用相場は、瓦の種類や場所によって「約2,000円〜約10,000円」です。

生産が終了しているモニエル瓦や生産量が少ないセメント瓦の場合は、差し替える製品が見つからないこともあるため注意が必要です。

漆喰の補修

瓦屋根の頂上にある棟瓦は、葺土と漆喰で防水と固定されています。

粘土瓦の耐用年数は50年以上と言われていますが、葺土と漆喰の寿命は約10年です。

定期的に棟瓦の土台となる葺土と漆喰をメンテナンスすれば、瓦屋根を長く使い続けることができるでしょう。

セメント瓦やモニエル瓦は、表面の塗装と同時に漆喰部分の点検も行うことをおすすめします。

漆喰の部分補修の費用相場は「約4,000円〜約8,000円/m」です。

棟瓦の積み直し

屋根の頂上にある棟瓦は、葺き土や漆喰の劣化や地震などの災害でゆがみを生じることがあります。

棟自体が曲がってしまっている場合や、葺土が表に出ている場合には棟瓦の積み直しが必要となります。

漆喰のみの補修と異なり棟を解体して棟瓦をかぶせ直すため、工事に必要な費用の目安は「約9,000円〜約15,000円/m」です。

また工事に必要な日数も3〜5日程度かかります。

谷板金の入れ直し

「谷」とは屋根の面と面がぶつかる水がたまりやすい部分です。

現在では、谷板金は錆びに強いステンレスやガルバリウム鋼板が使用されています。

しかし、以前は銅版が使われていた時期もあり、経年劣化による錆びや穴に注意が必要です。

谷板金の入れ直しは、谷周りの瓦を外して古い板金を撤去、新しい板金を設置後に瓦を戻します。

谷は屋根にたまった雨水を雨どいへ排水する重要な場所です。雨漏りにつながる前にメンテナンスしましょう。

谷板金の入れ直しの費用相場は「約10,000円〜約12,000円/m」です。

瓦屋根の塗装

粘土瓦のメンテナンスに塗装は必要ありません。

しかし、表面の塗膜によって防水性能を確保しているセメント瓦や乾式コンクリート瓦は、塗装によるメンテナンスが欠かせません。

ところが、セメント瓦と乾式コンクリート瓦の塗装メンテナンスには大きな違いがあります。

それぞれの瓦を塗装する際の注意点も含めて解説していきます。

なお、瓦の塗装メンテナンス費用についてはお問い合わせください。

セメント瓦の塗装

セメント瓦は塗料による塗膜のみで防水性を保っています。

セメント自体には防水性がないため、塗膜の劣化によって瓦が吸水が進み、瓦の劣化のスピードを速めてしまいます。

塗膜の劣化は塗装で補えますが、セメント瓦自体が劣化してしまうといくら塗装しても回復は難しいでしょう。

セメント瓦が吸水し始めると、成分であるカルシウムが溶け出して瓦の表面がざらついてきます。

ざらつきが見られる場合は、下塗りを念入りに行ってから塗装を進めます。

乾式コンクリート瓦の塗装

乾式コンクリート瓦(モニエル瓦)のメンテナンスは、屋根材のなかで難しいとされています。

モニエル瓦の表面には、着色セメントとアクリル樹脂を使った「スラリー層」と呼ばれる層が存在します。

スラリー層のおかげでモニエル瓦の防水性能が保たれているのですが、塗装をする場合にはこの層をすべて取り除かなければなりません。

スラリー層を除去せずに塗装しても、1〜2年で剥がれ落ちてしまいます。

そのため、以前は乾式コンクリート瓦は塗装できないともいわれていました。

モニエル瓦の塗装メンテナンスは、実績があり高い技術を持つ業者へ依頼するよう注意しましょう。

瓦屋根の葺き直し

瓦屋根の「葺き直し」と「葺き替え」の違いは、現在の瓦を再利用するかどうかです。

主に粘土瓦のメンテナンス方法である「葺き直し」は、瓦を再利用するため材料費や廃棄費用を抑えられることが大きなメリットです。

定期的にメンテナンスをすれば、粘土瓦は50年以上使用できます。

一方で、屋根の下地材である防水シートや野地板の耐用年数は15〜20年です。

そのため、葺き直しをして下地材をメンテナンスすることで、瓦屋根の寿命が延ばすことが可能です。

葺き直しでは、下地に補強の必要がある場合に瓦を屋根から取り外して施工します。

傷んでいるルーフィング(防水シート)や野地板、釘をメンテナンスした後、既存の瓦を葺き直します。

葺き直し工事の費用相場は「約17,000円〜約25,000円/坪」です。

瓦屋根の葺き替え

屋根の「葺き替え」は既存の屋根材から新しい屋根材へ更新する工事です。

屋根のメンテナンスのなかでは、もっとも大規模な工事といえるでしょう。

屋根材だけではなく下地も新しくすることで、住宅の寿命が延びることが葺き替えの大きなメリットです。

粘土瓦では劣化症状によっては「葺き直し」で対応できる場合もあります。

しかし、セメント瓦やモニエル瓦は瓦自体の耐用年数が粘土瓦ほど長くありません。

そのため、葺き替え工事の際には新しい素材を用いた屋根材への張り替えがおすすめです。

軽量で耐久性が高い「ガルバリウム鋼板」や比較的リーズナブルな「スレート屋根」などへ葺き替えると

住宅が支える屋根の重量が軽くなって家全体の寿命を延ばせます。

また、粘土瓦屋根でも下地材の激しい劣化や雨漏りなどの症状、瓦全体の割れや欠けが進んでいる場合には「葺き替え」が必要です。

葺き替え工事の費用は「約20,000円〜約30,000円/坪」が目安です。

部分メンテナンスと同じく、屋根の形状などによって「葺き直し」「葺き替え」にかかる費用は異なります。

くわしい費用につきましては、当店の無料見積もりサービスをご利用ください。

まとめ

  • 瓦屋根には種類がある
  • 種類別にメンテナンス方法が異なる
  • 部分メンテナンスと屋根全体のメンテナンス工事がある

今回の記事では、上記の内容に加えて瓦屋根の費用相場についても紹介してきました。

専門業者による定期的な点検と部分的なメンテナンスをすることで、瓦屋根は長く使い続けられます。

屋根は風雨から住宅を守ってくれる重要な部分です。

お住まいの屋根の瓦種類を把握して適切なメンテナンスを行いましょう。

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