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屋根の専門業者がわかりやすく解説!屋根の修理方法と費用相場

あなたは念願のマイホームを建てた方ですか。それとも昔から受け継いだ家を大切に維持しておられる方でしょうか。
どちらの方であっても、家を支え美観を左右する屋根を修理していく必要が生じてきます。
では、屋根の修理にはどんな種類があるのでしょうか。そしてそれぞれの相場費用はいくらなのでしょう。
この記事は、具体的な修理方法と年々高騰していく修理費用の一般的な目安を紹介していきたいと思います。

屋根材と修理方法別の費用相場

現在よく使用されている屋根材として、和瓦、スレート屋根、金属屋根を取り上げ、それぞれの修理方法と費用相場を説明します。

和瓦の修理方法と費用相場

和瓦は日本の伝統的な瓦で、古くから家屋の屋根を風格ある重厚感のある美しさを醸し出してきました。
耐久性は50年~100年と長くもち、メンテナンスフリーが長所です。
しかし、瓦以外の屋根材に劣化が生じたり、台風や経年劣化によって部分的な修理が必要になったりすることがあります。
ここでは、和瓦に使われる主な修理方法と、その費用相場を説明します。

瓦の差し替え

瓦のひび割れやズレ、欠けなどが生じた場合は、部分的な修理が必要になります。
その際は、損傷した瓦を新しい瓦に差し替える方法が一般的です。
瓦を変えるだけなので、1~2時間の簡単な作業ですみます。
瓦1枚あたりの費用相場は、約3,000円~5,000円程度で、枚数によって加算されていきます。

漆喰の詰め直し

漆喰は瓦と瓦のすき間を埋め、雨水の侵入を防ぐ重要な役割をもっています。経年劣化により漆喰が剥がれたり、ひびが入った場合に詰め直しの修理が必要です。
費用相場は、1㎡あたり約5,000円~10,000円程度が相場ですが、棟全体の広範囲になると、数万円から10数万円になります。

谷板金の交換

屋根の谷部分にある谷板金は、雨水をスムーズに排水する重要な役割があります。
谷板金にサビや穴あきが生じると、雨漏りの原因となるため早急に交換が必要です。
費用相場は、1mあたり5,000円~8,000円程度で、全体の長さによって総額が変わります。
平均すると、5万円~10万円前後が一般的です。

棟の取り直し

棟は屋根の頂点の部分で、瓦を積み重ねていった上部を風雨から守る役割があります。
経年劣化や地震や強風などによって歪みやくずれが生じた場合は、棟を一度解体し再度積み直す「取り直し」という修理が必要です。
費用相場は、1mあたり7,000円~12,000円程度で、棟の長さに応じて総額が決まりますので、通常は10万円~30万円程度を目安と考えていいでしょう。

葺き直し

葺き直しは、耐久性のある瓦に問題がなくても、瓦の下地である防水シートや野地板に劣化が生じ、雨漏りが起きた時に行われる修理工事です。
問題のない瓦は丁寧にはずされて、下地材を新しく交換されたあと再利用されます。
費用相場は、1㎡あたり5,000円~10,000円程度で、屋根の面積で違ってきますが全体で50万円~100万円前後が目安です。

以下に修理方法と相場費用をまとめました。

修理方法 費用相場
瓦の差し替え   1枚あたり約3,000円~5,000円
漆喰詰め直し   1㎡あたり約5,000円~10,000円
谷板金交換   1mあたり5,000円~8,000円程度
全体の長さで変動、平均5万円~10万円前後
棟の取り直し   1mあたり7,000円~12,000円程度
平均で10万円~30万円程度が目安
葺き直し   1㎡あたり5,000円~10,000円程度
屋根の面積によるが全体で50万円~100万円前後

スレート瓦の修理方法と費用相場

スレート屋根は、軽く安価でデザイン性に富みカラーも豊富で、現在もっとも普及率の高い屋根材といえます。
しかし薄いため割れやすい、ひび割れやコケが発生しやすいというデメリットもあり、防水性を保つための定期的な塗装が欠かせない屋根材です。
ここでは、スレート屋根の修理方法とその費用相場を説明します。

スレートの差し替え

スレートの一部分が割れたり欠けたりした場合に、傷んだスレートだけを新しく交換する工事です。
部分的な交換だけですので、1~2時間で完了する簡単な工事で終わります。
スレート1枚あたりの費用相場は、種類や大きさで異なりますが10,000円程度です。

コーキング補修

スレートのつなぎ目にコーキング材が使用されていますが、経年劣化でひび割れが生じると、水が入り込んで雨漏りの原因になります。
この場合にコーキング材を打ち直す工事を行い防水性を高めることが重要です。
費用相場は、1か所あたり5,000円~10,000円程度です。

塗装メンテナンス

スレート屋根に防水性を施すため、5年~10年間隔で塗装メンテナンスを施す必要があります。
紫外線による色あせや湿気によるコケの発生を防ぎ、屋根の寿命を延ばして美しい外観を維持するため欠かせない作業といえるでしょう。
塗装メンテナンスの費用相場は、塗料のグレードや屋根の面積、劣化状況で大きく変わってきますが、30万円から80万円程度が目安です。

棟板金の交換・補修

スレート屋根の棟部分には金属製の棟板金が使われてます。ですから金属に起こりやすい熱膨張や強風にさらされる影響で、板金を固定している釘が少しずつ浮いてくることがあります。
その場合は、釘の打ちなおしや棟板金を一部交換することが必要です。
費用相場は、1mあたり5,000円前後で、全体として長さや材質によって変動しますが7万円~15万円程度です。

カバー工法

カバー工法とは、今までのスレート屋根を撤去せず、その上から新しい金属屋根(主にガルバリウム鋼板)をかぶせる工事方法です。
廃材処分費が不要になり工期も短く済むメリットがあります。ただし、下地の状態が悪い場合や、建物の構造によっては施工できないこともあります。

費用相場は、1㎡あたり10,000円~15,000円程度で、屋根全体で80万円~150万円前後が一般的です。

スレート屋根の修理方法と相場費用をまとめています。

修理方法 費用相場
スレートの差し替え   1枚あたり10,000円程度
コーキング補修   1か所あたり5,000円~10,000円程度
塗装メンテナンス   30万円から80万円程度(塗料と面積で変わる)
棟板金の交換・補修   1mあたり5,000円前後
全体の目安で7万円~15万円程度
カバー工法   1㎡あたり10,000円~15,000円程度
全体で80万円~180万円前後

金属屋根の修理方法と費用相場

金属屋根(ガルバリウム鋼板やトタン屋根など)は軽量で耐震性に優れ、加工がしやすいメリットがある反面、遮音性や断熱性が低くくサビや凹みが生じやすいデメリットがあります。
それでは金属屋根の修理方法とその費用相場について解説していきます。

錆びや穴の補修

近年では、金属屋根にガルバリウム鋼板やステンレスが使用されサビにくくなりましたが、それでも経年劣化でサビや穴が開いてしまうことがあります。
金属屋根のサビの対処策は、サビを削り取った後のちサビ塗装を行います。
また穴が開いた場合は、専用パッチを使った補修がなされます。
費用相場は1か所あたり5,000円~20,000円程度で、補修が小規模な場合は安価ですみます。

棟板金の交換

金属屋根の場合も、スレート屋根と同じように棟板金が強風で浮いたり、釘が抜けたりという不具合が多くみられます。
修理方法は棟板金の交換や釘を打ち付けて再び固定しなおす必要があります。
費用相場は、1mあたり3,000円~6,000円程度で、全体で5万円~12万円程度が目安です。

屋根塗装

トタン屋根は特に定期的な塗装を施し耐久性を高める必要があります。なぜなら塗膜が劣化することでサビの原因になるからです。
古い塗装を剥がし、新たに塗装をします。
またガルバリウム鋼板も、施工後15年前後での塗装メンテナンスがすすめられています。
費用相場は、1㎡あたり2,000円~4,000円程度で、屋根全体で30万円~70万円前後が目安です。

以下は金属屋根の修理方法と相場費用をまとめています。

修理方法

       費用相場
錆びや穴の補修   1か所あたり5,000円~20,000円程度
棟板金の交換   1mあたり3,000円~6,000円程度
全体で5万円~12万円程度
屋根塗装   1㎡あたり2,000円~4,000円程度
屋根全体で30万円~70万円前後が目安

屋根修理にかかるその他の費用

屋根修理にかかる費用は、材料費や人件費も考慮に入れる必要があります。
さらに屋根の修理には足場代が必須となる場合が多くあります。
足場代は、30坪程度の2階建て住宅の場合で、15万円~20万円程度が相場です。

屋根修理業者を選ぶポイント

業者を選ぶ際には、下記の3つのポイントを参考にして選んでください。

口コミや評判・施工実績を確認する

インターネット上の口コミサイトやGoogleマップ、地域の掲示板などで評判をチェックしたり、施工事例や実績を調査することで経験豊富で信頼性が高い業者かどうかを判断の参考にできます。

信頼できる業者の特徴

信頼できる業者に見られる共通点をあげておきます。

  • 明確な見積もりを提示し、追加費用が発生する場合には事前に説明をする。
  • 施工に関する詳しい説明やしっかりとしたアフターサービスを提供している。
  • 必要な資格や許可を持っている。

悪徳業者に騙されないための注意点

いきなり訪問してきて不安を煽ったり、安すぎる価格を提示する業者には警戒が必要です。
また、契約する際の内容に明確さが欠けた曖昧な場合も気を付け、サインする前は必要事項の確認を十分に行いましょう。
そして、良い業者を選ぶため、複数の業者と相見積もりを取って、比較検討するのは重要なことです。

費用を抑えるためのコツ

屋根修理にかかる費用は高額になることが多く、最近の経済情勢は値上げに拍車をかけています。
少しでも修理費用を安く抑えるため、できるコツを紹介したいと思います。

火災保険・助成金の活用する

火災保険は、自然災害によって屋根に損傷が生じた場合に適用されますが、保険会社によっては、屋根修理のための補償が含まれていることもあるので確認を取るのは適切です。
また地域によっては、屋根修理に関する助成金や補助金を出してくれることがあります。
自治体のホームページや窓口で問い合わせてみましょう。

安く済ますためDIY修理をすべきか

スレート屋根のひび割れなどは、ホームセンターでコーキング材を購入してDIYできる場合もあります。費用は1〜10万円です。

しかし素人が屋根に上がることは非常に危険なためおすすめできません。

たとえ雨漏りという緊急な場合も、業者が来るまでの一時的な応急処置として、ブルーシートや防水テープで剥がれた部分を覆うことでとどめておきましょう。

まとめ

和瓦、スレート屋根、金属屋根の修理方法と費用相場を解説してきました。
愛すべき我が家を守るため、屋根は重要な部分を占めていますので、適切に維持していくのに必要な具体的な情報としてお役立ていただけば幸いです。

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