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屋根の専門業者がわかりやすく解説!屋根の修理方法と費用相場

住宅の大切な部分なのに見えにくいため、つい後回しにしがちなのが屋根のメンテナンスです。

一生に何度もない屋根の修理はいったいどのくらい費用がかかるのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、屋根の専門業者が屋根の修理の方法と費用相場について詳しく解説していきます。

屋根修理のタイミングとは?

住まいをさまざまな気象条件や風雨から守ってくれる屋根は、住宅の中で気にかけるべき部分でありながらも目にすることが少ないという特徴があります。

そのため、雨漏りなど家の中で不具合を感じる前に、適切なタイミングでメンテナンスすることが重要です。

新築住宅を例に考えると、外壁や給湯器、調理機器など家全体のリフォームを考えるのは一般的に10年から15年後といわれています。

屋根材にもよりますが、家全体のリフォームを考える際には必ず屋根も点検およびメンテナンスをしましょう。

ここでは、屋根材ごとの修理のタイミングについて解説していきます。

瓦屋根(和瓦・粘土瓦)

日本で古くから使用されている瓦屋根は、屋根材の中でもっとも耐用年数が長く、暴風などによる被害がなければ50年以上持つといわれています。

長持ちする瓦屋根ですが、定期的なメンテナンスは怠らないように気をつけましょう。

特に、棟瓦のズレや漆喰の劣化、瓦の欠けや割れは放置すると雨漏りに直結します。

適切なメンテナンスをすれば長く使い続けられるため、専門業者に依頼して定期的に点検するのがおすすめです。

スレート屋根

最近の住宅でもっとも使用されているスレート屋根は、軽量で施工しやすく急速に普及しています。

ただし、メンテナンスの期間でいうともっとも短いスパンで手入れが必要な屋根材です。

スレート屋根は製造過程の塗装によって防水性が保たれています。

表面の塗装が劣化してくるとひび割れや苔などの繁殖、色褪せなどが目立ってきます。

このような症状が現れたときには、スレート屋根のメンテナンス時期だということです。

下地材の損傷や雨漏りにつながる前に、およそ10年ごとのメンテナンスがおすすめです。

ガルバリウム鋼板屋根

金属製のガルバリウム鋼板屋根は、軽量なので住宅の耐震性を高められる屋根材として注目を集めています。

亜鉛とアルミニウムでメッキされているガルバリウム鋼板は、耐久性が高く25年から35年程度持つといわれています。

瓦屋根と同じく、台風などの被害に遭わなければ長く使い続けられる屋根材です。

ただし、屋根の頂点部分に設置されている棟板金や、屋根材の継ぎ目のコーキングは定期的なメンテナンスが必要です。

部分補修を重ねて、耐久性を維持しましょう。

屋根材別耐用年数とメンテナンスの時期

屋根材の種類 耐用年数 おすすめのメンテナンス時期
瓦屋根 50年以上 10〜15年
スレート屋根 15〜20年 10年
ガルバリウム鋼板屋根 25〜35年 15〜20年

屋根修理の内容と費用相場

屋根の修理は、大きく分けて屋根全体の補修と部分的な補修があります。

屋根の部材の劣化が軽微なうちに部分補修をしておくと、屋根の修理費用を抑えられます。

屋根全体の補修、部分補修に分けて、修理方法と費用相場について見ていきましょう。

屋根全体の補修

屋根全体の補修方法には、塗装、葺き替え、カバー工法があります。

また、屋根の修理は高所作業となるため、ほとんど足場を組んでの作業です。

たとえば、延床面積が約30坪の2階建て住宅の場合、足場を組む面積はおよそ200〜300m2です。

足場の費用相場は、600円/m2〜1,000円/m2程度かかることを理解しておきましょう。

塗装による補修

瓦屋根以外のスレート屋根やガルバリウム鋼板屋根では、塗装によるメンテナンスが必要です。

スレート屋根では塗装の劣化によって、屋根材が水分を含み色褪せだけでなく苔や藻の繁殖やひび割れ・屋根材の欠けにもつながります。

また、ガルバリウム鋼板屋根も紫外線にさらされているうちに色褪せが目立つことがあります。

色褪せ=塗装の劣化であり、放置していると錆びなどの症状につながりかねません。

さらに、住宅の外観を考えても、美しく塗り直されている屋根は印象が良いです。

塗装の費用相場は以下のとおりです。

養生費 400円/m2
塗料費 1,200〜2,500円/m2
洗浄費 400円/m2

葺き替えによる補修

屋根の葺き替えとは、現在の屋根材を下ろして処分し、新しい屋根材を葺く補修方法です。

葺き替えの際には屋根材の種類を替えることができ、より軽量な屋根材を使えば住宅の重心が下がって耐震性能が高まることも期待できます。

また、見た目も新しく雰囲気の異なる家に仕上げられます。

葺き替えは、屋根の補修の中で最も費用が大きく工期も長い方法です。

しかし、屋根材を一度すべて下ろすことから、下地材の点検やメンテナンスもでき、家全体の寿命を延ばす補修といえるでしょう。

葺き替え工事の費用相場は、60万〜100万円です。(30坪の2階建て)

カバー工法による補修

古いスレート屋根のリフォームに良く使われるのが、カバー工法による補修です。

カバー工法とは、既存の屋根の上に防水材と屋根材を重ねて施工します。

ですから、屋根材の撤去や処分費用がかからず葺き替えに比べて工期の短縮や費用を抑えられるというメリットがあります。

しかし、カバー工法はすべての屋根に施工できる方法ではありません。

できるだけ平らな面が必要なため、瓦屋根は葺き替えになります。

また、既存の屋根材を撤去しないことから、住宅にかかる屋根の荷重が重くなり構造によっては選択できません。

2004年以前に施工されたスレート屋根には、現在では使用が禁止されているアスベストが含まれています。

撤去・処分費用が高額になるため、ガルバリウム鋼板屋根を被せるカバー工法でのリフォームが一般的です。

カバー工法の費用相場は、50万〜80万円程度です。(30坪の2階建て)

屋根の部分補修

屋根全体としては問題がなくても、最近の異常気象を考えると部分的な補修についても知っておきたいものです。

部分補修が特に必要となる「棟板金・棟瓦」「漆喰」などはあまり耳慣れない言葉ではないでしょうか。

部分補修の方法と費用相場について解説していきます。

瓦屋根の部分補修

一般的な屋根材の中で最も耐久性が高い瓦屋根でも、地震や凍害、台風などの災害によって瓦が欠けたりひび割れしたりすることがあります。

割れや欠けを放置すると屋根の下地材の腐食につながり、住宅内の雨漏りにまで発展してしまうかもしれません。

そうなれば、補修費用は高くなって負担が増すことになります。

割れたり欠けたりした瓦は、1枚から差し替えられます。

瓦屋根の部分補修の費用相場は、2,000〜10,000円です。(瓦の種類・場所による)

棟板金・棟瓦の補修

瓦屋根では屋根の頂上に棟瓦が設置されています。

棟瓦とは、棟と棟の結合部分から水の浸入を防ぐ大切な部分です。

また、スレート屋根やガルバリウム鋼板屋根の棟部分には棟板金と呼ばれる金属製の部材が取り付けられています。

最近の異常気象では突風や暴風が増え、棟板金や棟瓦がずれてしまう事例が多く見られます。

釘やビスの抜けや棟板金の浮き、棟瓦の崩れなどが起きると、住宅内へ水の浸入を許してしまい大がかりな補修が必要になることもあります。

台風や突風などの後には、専門業者に依頼して点検・補修をするようにしましょう。

棟瓦の積み直しや棟板金の補修の費用相場は、9,000〜15,000円/mです。

漆喰の補修

瓦屋根の棟瓦は、葺土の外側を漆喰で塗り固めています。

漆喰は瓦と比べると耐用年数が短く、10年程度で劣化し始めます。

漆喰が劣化すると瓦が固定される力が弱まるだけでなく、瓦のズレや割れ欠けにつながります。

棟瓦の部分修理は、漆喰の補修を適切な時期に行うことでメンテナンス費用を抑えるというわけです。

漆喰の補修の費用相場は、2,000〜3,000円/mです。

雨樋の交換・修理

雨樋は屋根に降り注ぐ雨水を地面へスムーズに流す働きをしています。

雨樋の破損を放置すると、外壁などからも水が住宅内に浸入しやすくなるため、早めのメンテナンスが重要です。

住宅の外部の水はけの良さを保つためにも、雨樋の清掃や交換、修理も定期的に行うようにしましょう。

雨樋の修理の費用相場は、3,000〜5,000円/mです。

まとめ

住宅を守る大切な屋根は、適切な時期にメンテナンスをすることで補修費用が少なくすみます。

また、屋根は外観の中でも占める面積が広いため、葺き替えによってイメージを大きく変えることもできます。

安心・安全に住み続けるためにも、屋根専門業者の無料点検や見積りを利用して適切な価格で補修するのがおすすめです。

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