【屋根の役割】7つの重要な機能!失敗しない選び方のコツ
住宅の屋根について、あらためて考える機会はないのではありませんか。
屋根は見えない高い所にあるため普段目にすることがなく、あって当たり前の存在になっています。
しかし、屋根の役割は重要で、雨風から私たちを守り抜き、快適に暮らすにはなくてはならないものといえるでしょう。
建物のパーツの中でも、屋根は直射日光を浴び台風などの暴風雨にさらされ、最も過酷な条件に置かれています。
この記事では、そんな屋根に焦点を合わせ、屋根が果たす7つの具体的な役割、失敗しない屋根材の選び方について詳しく解説します。
これから家を建てる方、屋根のリフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
屋根が果たす7つの重要な役割
屋根は住宅とそこに住む人を守るため、実に重要な役割を担ってくれています。
ここでは、屋根が果たす7つの主要な役割について解説します。
1.雨から住まいを守る(防水機能)
雨から家を守ることは、屋根の最も基本的で重要な役割です。
まるで、住宅にとって「大きな傘」といえる存在です。
日本の気象条件もそのことを裏付けています。
統計では、約4日に1度の頻度で雨が降るとされ、梅雨という雨がしとしと降り続く期間もあり、台風も頻発します。
屋根はまさに大きな傘となり、守ってくれる存在です。
さらに木材家屋が多い点も、雨から家屋を守る必要性が大きくなります。
木材の自然素材は呼吸するように、吸湿性や保温性を上手に調整する優れた材料ですが、
一方で水分や湿気に弱い特徴があるのです。
また、雨漏りは木造家屋にとって、絶対放置してはならない注意点といえるでしょう。
なぜなら、家屋の内部構造の柱、内部や外部の壁、梁が雨漏りの水分を含むと腐食していくからです。
内部に腐食が進むと、建物の寿命を縮め、やがて倒壊に至る危険があります。
さらに屋根には、瓦などの屋根材の下にルーフィングという防水シートが敷き詰められており、たとえ屋根材の隙間から雨が侵入しても、最後の砦として雨から守るように配慮されています。
2.地震から安全性を確保する(耐震性能)
日本は世界でも有数の地震大国であることは、耐震性が絶対条件になってきます。
屋根は軽いほど耐震性が強いとされ、最近ではガルバリウム鋼板が広く普及するようになりました。
屋根が軽いと、下で支える構造にかかる負担が軽くてすむので、地震の揺れから建物を守れるからです。
その点、重い瓦屋根は耐震性能が低いとされてきましたが、建物の躯体が丈夫なら、十分に耐えうると実証されています。
屋根材を選ぶ際は、軽くて近代的なガルバリウム鋼板にするか、日本情緒あふれる伝統的な瓦屋根にするか、それぞれのシーンや好みに合わせて選べます。
また、建物の構造や建築年代を考慮しながら、適切な重量の屋根材を選択することが重要です。
3.台風などの強風に耐える(耐風性能)
日本は台風の通り道であり、また近年の異常気象で台風の接近も増え、強風から守る屋根の重要な役割に一層注目させられる現状です。
強風で注意したいのが、屋根材の飛散です。
そのため屋根材の形に応じた釘穴の位置なども厳密に計算され、1枚1枚がしっかりと固定されるよう施工されています。
また、屋根は強風で飛ばされた看板などの飛来物から守る役割もあります。
屋根が頑丈だと、強風によるダメージが最小限に抑えられるので、非常に心強い存在といえるでしょう。
4.夏の暑さ・冬の寒さを調節する(断熱・遮熱性能)
蒸し暑い夏の暑さと凍えるような冬の寒さをうまく管理し、温度調節する屋根の役割も見逃せません。
直射日光と外気温にさらされる屋根は、夏場は70℃以上の高温になり、遮熱性がないと冷房がほとんど効かなくなってしまいます。
逆に、冬場では暖房で暖められた空気は上にあがるため、屋根による断熱がきかないと暖房効率が悪くなります。
ですから屋根の断熱・遮熱性は、必要不可欠といえるでしょう。
さらに断熱性は、屋根裏の結露を防ぐ効果もあり、水分による建物のダメージを抑え耐久性を向上させてくれます。
また最近では、遮熱性能の高い屋根材や塗料が開発され、太陽光を反射させて温度調節を一層効率的に行えるようになりました。
屋根のリフォームを考えておられる方は、調査されることをおすすめします。
5.火災から建物を守る(防火性能)
江戸時代では、密集した木造住宅、冬の乾燥したからっ風と気短な性格から、「火事と喧嘩は江戸の華」と呼ばれていました。
とくに火は上に燃え広がるため、屋根は延焼させる原因となります。
そのため不燃材料である瓦を屋根材にするよう推奨されていたのです。
現在は、瓦のほかに防火性能の高い不燃性の屋根材や、屋根の下地にも燃えにくい材質が使用されています。
昔も今も、出火や延焼を防ぐのは大きな課題です。
特に住宅密集地では屋根に防火性能の高い材質を使うことは重要といえるでしょう。
6.雨音や外部の音を遮る(遮音性能)
静かで快適な住まいには、屋根の遮音効果も大いに役立っています。
台風の暴風雨で「ゴオオオ」という風の音や、大雨がたたきつける音が鳴り響くと、不安で眠れない一夜を過ごすことになるでしょう。
屋根の材質がトタンですと、その雨音たるや地下鉄の車内の音量に匹敵すると報告されています。
それで、適切な屋根材と施工方法で、雨風の音はかなり軽減されますので注意してください。
また遮音性がないと、室内の話し声や生活音が外に筒抜けになるため、近所迷惑になりますしプライバシーも保たれません。
ですから、周囲を気にせず快適に生活するためには、屋根の遮音効果はなくてはならない存在といえます。
静かで穏やかな環境を確保するため、屋根材を選択する際は、遮音性能も屋根の重要な役割として考慮にいれてください。
参考に、金属屋根は軽量で耐震性に優れていますが、瓦やスレートに比較すると遮音性は劣るので注意が必要でしょう。
7.住まいの外観を決める(デザイン性)
屋根の色とデザイン次第で、建物の外観やイメージが決まるといわれるくらい、屋根は美観を印象づける重要な要素です。
すなわち、屋根は外から一番目につきやすい部分といえるからです。
観光地などでも、屋根材を統一することで美しい街並みを目指す条例が制定されている所あります。
また、近隣や周囲の景観から浮いてしまわないよう、調和させるため屋根の色に配慮する取り組みもなされています。
ですから、美観も意識に入れる必要があるため、定期的なメンテナンスを行い、色あせしにくい屋根材を選ぶことは重要です。そうすることで、長期間にわたり美しい外観を維持していきましょう。

失敗しない屋根材の選び方
屋根材を選ぶ際は、様々な要素を総合的に判断する必要があります。
ここでは、失敗しない屋根材選びのポイントを解説します。
優先順位
屋根材は、すべての役割を兼ね備えた「完璧な屋根材」は存在しません。
それぞれにメリットとデメリットがあるからです。
それで、屋根材の役割の中で、優先順位として何を最も重視するかを明確にすることが重要になります。
優先順位をつけるため、どんな要素を考慮すべきか考えていきましょう。
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耐久性
瓦がおすすめです。初期費用は高いものの、耐久性は50年以上もあり、メンテナンス頻度も少ないため、長い目で見るとコストパフォーマンスに優れます。
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耐震性
ガルバリウム鋼板や化粧スレートなど、軽量な屋根材が適しています。特に建物の耐震性に不安がある場合は、軽量化を考えましょう。
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初期費用を抑える
化粧スレートが最も経済的です。ただし、定期的な塗装メンテナンスが必須のため、その費用を積み立てる必要があります。
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デザイン性
アスファルトシングルは色やデザインのバリエーションが豊富で、個性的な外観を実現できます。
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メンテナンスを減らす
瓦が最適です。塗装の必要がなく、破損しなければ長期間メンテナンスフリーです。しかし瓦以外の屋根材の取り換えが必要になります。
地域の気候条件
気候条件は住んでいる地域によって異なり、屋根材も適したものが変わってきます。
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積雪地域
雪の重みに耐えられる強度が必要です。
さらに雪止めを設置しやすい屋根材や雪が滑り落ちやすい金属屋根などが適しています。 -
台風が多発する地域
耐風性能があり、飛散を防ぐため屋根材を固定できることが必須です。
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塩害地域
海からの潮風が吹くため、塩害によるサビに対処する必要があります。
瓦や化粧スレートは塩害の影響を受けにくいためおすすめです。
ガルバリウム鋼板は、塩による腐食に強い屋根材ですが、定期的なメンテナンスが必要です。 -
寒暖差が激しい地域
気温の変化による膨張・収縮に強い屋根材が必要です。
瓦は丈夫で温度変化に強く長持ちするメリットがあります。
メンテナンス計画
屋根材は、初期費用とともに、長期におよぶメンテナンス費用も考慮に入れておく必要があります。
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瓦
初期費用は高いですが、メンテナンスフリーなため瓦自体のメンテナンスは必要ありません。
しかし、他の屋根材に関しては交換などが必要です。
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化粧スレート
初期費用は安いですが、約10年ごとに塗装メンテナンスが必須です。
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ガルバリウム鋼板
初期費用は中程度、15〜20年ごとに塗装メンテナンスが推奨されています。
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アスファルトシングル
初期費用は安いが、定期的な点検と部分補修が必要です。
30年、40年といった長期スパンで考えると、初期費用が高くてもメンテナンスフリーの瓦の方が、トータルコストでは安くなる場合があります。
また、どの屋根材を選んでも、定期的な点検は欠かせません。
特に台風シーズンの前後には、専門業者による点検を受けることをおすすめします。
まとめ
屋根の重要な役割を7つご紹介しました。
目線より高い位置にあるため、その存在のありがたみを、あらためて考える機会になったのではないでしょうか。
また屋根材を失敗なく選ぶ際には、7つある役割の中で、どの役割を一番優先して考えたいかを明確にして選ぶことが大事でした。
また居住地域によって、適した屋根材も違ってきますし、初期費用だけでなく定期的なメンテナンスの必要性も無視できません。
私たちの暮らしを安全で快適なものにしてくれる屋根を、大切に維持管理し美しい状態で長く使い続けたいものですね。
そのためにこの記事がお役に立ちますことを願っています。


