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屋根のカバー工法とは?メリットとデメリットを解説

新築から10〜20年経ったのなら、そろそろスレート屋根のリフォーム時期に差し掛かっています。

屋根のリフォームには「葺き替え」と「カバー工法」の2種類がありますが、「費用を抑えたい」「工期は短いほうがいい」と考えているのなら、カバー工法がおすすめです。

今回はカバー工法の施工方法をはじめ、メリットやデメリットを詳しく解説していきます。
屋根のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

屋根のカバー工法とは?

「カバー工法」は、どんな工事なのでしょうか?ここではカバー工法について詳しく説明します。

既存の屋根の上に新しい屋根を被せる工法

「カバー工法」はその名の通り、既存の屋根の上に新しい屋根をカバーするように被せる工法です。

屋根のリフォームには、既存屋根を撤去してから新しい屋根を乗せる「葺き替え」という工法もありますが、葺き替えでは屋根を撤去する手間や廃材が出るため費用が非常に高額になります

一方で、カバー工法では既存の屋根の上に軽い屋根を乗せるので、撤去の手間や廃材処理費用がかかりません。そのため、葺き替えよりも工事費用や工事期間を抑えることができます

また、2004年以前に製造されたスレート屋根は、人体に有害な「アスベスト(石綿)」が含まれている可能性があり、その場合には撤去費用が高額になることがほとんど

参考:厚生労働省「アスベスト(石綿)」に関するQ&A」

しかし、カバー工法であれば屋根の撤去が必要ないので、アスベストの含有によって解体費用が高額になる心配もありません。

カバー工法にはガルバリウム屋根を使うことが多い

カバー工法は、基本的にはスレート屋根のようなフラット屋根の上に「ガルバリウム鋼板」や「エスジーエル鋼板」といった軽量金属屋根を重ね乗せします。

そのため屋根の見た目はほぼ変わりませんが、「気分を変えて瓦屋根にしたい」という方はケイミュー社が販売している軽量瓦屋根の「ROOGA(ルーガ)」であれば、フラット屋根から瓦屋根へのリフォームも可能です。

屋根をカバー工法でリフォームするメリット

ここでは、屋根をカバー工法で仕上げるときのメリットをみてみましょう。

費用を抑えることができる

カバー工法の一番のメリットは、リフォーム費用を抑えられることです。

前述したように、カバー工法では既存屋根の上に新しい屋根を乗せていくため、撤去費用や廃材処理費用がかかりません。解体作業が必要なければその分人件費も削減できます

そのため、解体作業が必要な「葺き替え」と比べて費用を抑えることができるのです。

工期が短期間で終わる

屋根全体のリフォームの工期は天候や屋根の大きさによっても左右されますが、葺き替えの場合は、足場の組み立てからリフォームの完成まで「1週間〜10日」程度。

対してカバー工法は、「1週間以内」に終わることがほとんどです。
カバー工法でリフォームをすれば、葺き替えよりも短い工期で新しい屋根にすることができます。

断熱効果が期待できる

カバー工法では屋根を被せるように施工するので、屋根が二重構造になり、リフォーム前よりも「断熱性・遮音性・防水性」が高くなります

そのため「雨の音が響く」と、外音が気になっている方にもおすすめの工法です。リフォーム前に気になっていた雨音や風音も、施工後には軽減されるでしょう。

アスベストの飛散リスクがない

前述したように、2004年以前に施工されたスレート屋根には、人体に有害なアスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。
アスベストが含有されている屋根を解体、撤去するときには飛散リスクを防ぐために対策が必要になり、処分費用も高額に。

アスベストが含まれている屋根をリフォームするときにも、カバー工法であれば屋根を撤去することなくリフォームすることが可能です。そのためアスベストの飛散対策や処分は必要なく、費用を抑えることができます。

屋根をカバー工法で仕上げるときのデメリット

費用を抑えられ、断熱性や遮音性まで高くなるカバー工法。しかし、カバー工法にもいくつかデメリットがあります。
ここでは、カバー工法のデメリットを詳しく説明します。

屋根全体が重くなる

カバー工法のデメリットは、屋根の重量が大きくなることです。
重量が大きくなるほど住宅への負担も大きくなり、耐震性にも影響することも考えられます。

とはいっても軽量屋根でカバー工法を施工したときの総重量は「23〜26kg/m²」程度なので、瓦屋根の「60kg/m²」と比べるととても軽量です。

ほとんどの住宅ではカバー工法で施工しても問題ありませんが、構造面が心配な方はリフォーム業者と相談しながら計画を進めていきましょう。

屋根の状態によっては施工できない

カバー工法は、屋根の状態によっては施工できないことがあります。
たとえば、屋根の下地や内部に劣化がみられるときです。腐食してしまった屋根材には、新しい屋根材を固定する釘を打つことができません。

また、下地や内部の劣化を放置したまま施工してしまうと、どんどん腐食が進み、住宅の構造にも影響することも懸念されます。

屋根の下地や内部が劣化がみられるときには、葺き替え工事が必要です。まずはリフォーム業者に相談してみましょう。

まとめ

既存の屋根の上に新しい屋根を重ねて施工するカバー工法は、以下のようなメリットがあります。

  • 費用を抑えられる
  • 工期が短い
  • 断熱性・遮音性・防水性が高くなる
  • アスベストの飛散リスクがない

リフォームには高額な費用がかかるため、葺き替えと比べて費用を抑えられるカバー工法はリフォームにうってつけです。さらに、断熱性や遮音性、防水性まで高くなるのでこれまでよりも快適に過ごすことができるでしょう。

ただし、以下のようなデメリットがあることも忘れてはいけません。

  • 屋根全体が重くなる
  • 屋根の状態によっては施工できないことがある

カバー工法で仕上げるときには、設計時よりも重量が大きくなっているため耐震性に影響する可能性があります。ほとんどの住宅では問題ありませんが、心配に思う方はリフォーム業者に相談してみてください。

また、屋根の劣化具合によってはカバー工法が施工できず、「葺き替え」が必要になる場合もあります。

屋根は住宅を雨や雪、風から守る役割を持つ大事な部分です。
リフォーム業者と相談しながら、適切なリフォームを行いましょう。

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